[成果情報名]

物質収支、熱収支を用いた通気型堆肥化施設の堆肥温度、水分、乾物分解率の推定

[要約] 通気型堆積槽の乾物、水、熱の3つ要素の物質収支・熱収支式を連立して、それらを代数的に解いて乾物量、堆肥温度、水分などの経過を推定した。この方法によれば、従来の堆肥化施設設計マニュアルでは求められなかった運転稼動後の堆肥温度や堆肥水分が求められる。
[キーワード] 堆肥化、物質収支、熱収支、化学プロセス、設計
[担当] 京都畜技セ・経営・指導部
[連絡先] 電話 0773-47-0301
[区分] 近畿中国四国農業・畜産草地
[分類] 研究・参考

[背景・ねらい]
 堆肥化施設の計画の際、多くのところで使用されている堆肥化施設設計マニュアルでは、運転稼動後の堆肥化施設のコンディションとして重要な項目である堆肥水分、堆肥温度などの予測ができないため、運転条件の最適化を求めたり、設計の妥当性を評価することが難しい。そこでこの問題を解決するために、通常化学反応炉の設計に際して適用される化学プロセス計算法を、通気型堆積槽を有する堆肥化施設に適用して、堆積槽の温度や水分などのコンディションを推定する。
[成果の内容・特徴]
 
  1. 堆肥化施設の通気型堆積槽を1つの反応炉とみなし、反応炉の外界との出入りを乾物、水、熱の3つの要素に区分して、1日単位で物質収支・熱収支式を表1のように立て、それらを代数的に解いて堆積槽内の乾物分解率、堆肥温度、水分などの数値を求める。
  2. 稼動中の実用施設について、堆積槽の容積、原料投入量、原料水分、通気量などの施設規模、運転状況を把握し、外気温度記録を入手して温度、水分などについて算出したところ、計算結果は実際の状況とよく適合している。
  3. そのなかの1つの事例として、水分84%の牛ふん尿(ふん尿分離60頭分)を副資材(オガクズ、戻し堆肥)で調整後投入し運転している施設(スクープ式通気型堆肥化施設)の実測値と計算値を1に示す。
  4. 通気型堆肥化施設の物質収支、熱収支式による堆肥温度、水分、乾物分解率等の計算は京都府畜産技術センターが作成した堆肥化施設計算EXCELシートによって行うことができる。
[成果の活用面・留意点]
  1. 現在、計算可能な堆肥原料は乳牛ふん尿に限られる。他の畜種のふん尿の計算のためには、乾物分解速度、乾物分解当り発熱量を別途、小型反応炉を用いて実験的に求める必要がある。
  2. 本研究の計算は堆肥化施設計画の際の他、既設の施設の改良、例えば、投入原料、原料水分、副資材の量、送風量などの変更をおこなう際に適用できる。
  3. 開発したEXCELシートは知的財産保全のため、京都府畜産技術センターにて使用方法の研修(半日程度)後、改変保護機能を付して譲渡できる。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 物質収支、熱収支を用いた通気型堆肥化施設の堆肥温度、水分、乾物分解率の推定
予算区分 府単費
研究期間 2006~2007年度
研究担当者 安富政治、矢野穣二

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