[成果情報名]

共役リノール酸を強化した生乳(ジャージー種)の生産技術

[要約] ジャージー種において、乳脂肪中の共役リノール酸(c9t11CLA:CLA)割合は、放牧(3時間/日)により有意に高く、ヤマブドウ粕の給与では高くなる傾向を示す。また、生産性に関与する遺伝子型では有意な差が認められない。
[キーワード] ジャージー種、共役リノール酸(CLA)、脂肪酸組成、食品製造副産物
[担当] 岡山総畜セ・経営開発部・先端技術科
[連絡先] 電話 0867-27-3321
[区分] 近畿中国四国農業・畜産草地
[分類] 研究・参考

[背景・ねらい]
 生乳の付加価値を高める目的で、機能性が注目されている共役リノール酸(CLA)を生乳中に増やす技術を次のように検討する。
  1. 牛乳中のCLAは反芻家畜のルーメン内に由来し、リノール酸やリノレン酸を摂取することによりCLAの合成が促進されるため、これらを豊富に含んでいる新鮮な牧草(放牧草)や食品製造副産物の給与がCLA生産に効果があると考えられる。   そこで、放牧や給与飼料など飼養条件がCLA生産に及ぼす効果、特に飼料として地域で産出される食品製造副産物(茶殻、ヤマブドウ粕)の給与効果について検討する。
  2. CLAを効率的に生産する個体を選抜する目的で、生産性に関与する成長ホルモン(GH)、ミトコンドリアDNA(mtDNA)、Stearoyl-CoA Desaturase(SCD)の遺伝子について、遺伝子型とCLA等の脂肪酸組成との関連を検討する。
[成果の内容・特徴]
 
  1. 試験牧場慣行のTMRを不断給餌し、放牧期のみ1日3時間の放牧(オーチャード主体)をした場合、放牧期は舎飼期に比べて、乳脂肪中脂肪酸組成のCLA割合が1.2~1.4倍と有意(p<0.01)に高くなり、その他の脂肪酸についても差が認められる。(表1
  2. ヤマブドウ粕及び茶殻を、それぞれDM換算で14及び10%の割合でTMR飼料に混合し給与すると、乳脂肪中のCLAについて、ヤマブドウ粕区は有意な差はないが高くなる傾向を示し、リノール酸についてヤマブドウ粕区、リノレン酸について茶殻区が他の区に比べて有意に高くなる。(p<0.05)(表2
    また、乳量、採食率、乳脂率、SNF率に、食品製造副産物による有意な差は認められないが、蛋白質率では茶殻区、乳糖率ではヤマブドウ粕区及び対照区が、他の区に比べて有意に高い。(p<0.05)(表3
  3. いずれの遺伝子型においてもCLA割合には差が認められない。なお、GHはヘキサン酸とパルミトレン酸、mtDNAは酪酸、SCDはミリストレイン酸において、それぞれ差が認められる。(p<0.05)(表4
  4. 以上により、ジャージー種において生乳中のCLAを増加するには放牧が効果的な手法と考えられる。
[成果の活用面・留意点]
  1. 今回の成績は、ジャージー種での試験結果であるが、ホルスタイン種においても参考になる。
  2. 放牧における今回の結果は、3時間という短い時間放牧により得られた結果である。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 共役リノール酸を強化した畜産物の生産技術の開発
予算区分 県単
研究期間 2004~2006年度
研究担当者 河原貴裕、田辺裕司、黒岩 恵、栗木隆吉

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