[成果情報名]

一番茶後の刈番茶に混入する黄褐色の変色葉の発生要因

[要約] 刈番茶中に混入する黄褐色の変色葉は樹冠内にある落葉が原因である。落葉は生理的落葉時期と一致する。変色葉混入率は一番茶摘採までの新芽生育期間が長くなるほど高まり、被覆によってさらに助長される。
[キーワード] チャ、被覆栽培、落葉、刈番茶、変色葉
[担当] 奈良農総セ・茶業振興センター
[連絡先] 電話 0742-81-0019
[区分] 近畿中国四国農業・茶業
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 奈良県では、一番茶後に行う刈番茶の生産量は年間生産量の約30%を占めるが、その刈番茶製品中への黄褐色の変色葉混入による品質低下が問題となっている。近年の多収化、被覆期間の長期化に伴い問題が顕在化してきている。そこで、変色葉混入の要因解明を行う。
[成果の内容・特徴]
 
  1. 刈番茶に黄~褐色に変色した茶葉が混入している(以降変色葉とする)。変色葉が多い場合は著しく外観が劣り、焙じ等の二次加工にも適さない(図1)。
  2. 変色葉の葉柄基部の大部分は黒変している。葉が枝に着生したまま変色しているものを製茶しても葉柄基部は黒変しないことから落葉が刈番茶に混入していると考えられる(図2)。
  3. 一番茶新芽の生育に伴う落葉数の推移をみると、新芽生育初期から摘採期まで継続的に発生し摘採後は徐々に緩やかになる。これは、生理的落葉時期と一致する。また、直接被覆を行うことで落葉数は助長される傾向にある(図3)。
  4. 摘採時期が遅くなると被覆、無被覆ともに落葉数が増加し、残存する古葉数も少なくなることから相対的に変色葉混入割合は高くなる(図4)。
  5. 落葉は、地表に落下せず多くが樹冠内に留まり、樹冠内の一番茶摘採残葉や古葉によって日射が遮られるため、水分を保ったまま徐々に変色する。一番茶後の刈番茶では古葉がほぼなくなる程度に整枝したものを製造するため、樹冠内に留まった変色葉が刈番茶に多く混入する。
[成果の活用面・留意点]
  1. 変色葉混入を防止し良質の番茶を製造するためには、無被覆園でかつ一番茶を早期摘採した園から優先的に刈番茶を製造することが望ましい。
  2. 成果はダイオラッセル85P(遮光率85%)による直接被覆での結果であり、棚がけやトンネル被覆については不明である。また園、年次によって落葉数は変動すると思われる。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 遮光栽培による褐変葉発生要因の解明
予算区分 県単
研究期間 2005~2007年度
研究担当者 宮本大輔、堀本圭一

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