| [成果情報名] | 早生で餅質の良い水稲糯品種「ミコトモチ」 |
| [要約] | 島根県の早生糯品種として「ミコトモチ」を育成した。「ミコトモチ」は本県の奨励品種である「ヤシロモチ」に比べて、成熟期が5日程度早く、耐倒伏性及び穂発芽性に優り、玄米千粒重が重く、白米及び餅の白度が高い。 |
| [キーワード] | イネ、ミコトモチ、糯品種、早生の晩、耐倒伏性、白度 |
| [担当] | 島根農技セ・栽培研究部作物グループ |
| [連絡先] | 電話 0853-22-6716 |
| [区分] | 近畿中国四国農業・作物生産 |
| [分類] | 技術・普及 |
島根県の水稲糯奨励品種の一つである「ヤシロモチ」は、中生で餅のキメが細かく餅の伸びが良い特徴がある一方、耐倒伏性が劣り、穂発芽しやすく、玄米外観品質及び餅の白度が低いという欠点があった。そこで、「ヤシロモチ」並みの餅質を持ち、倒伏しにくく、穂発芽しにくく、玄米外観品質及び餅の白度が高い品種の育成を目的とした。
1.育成経過
「ミコトモチ」は、「山陰糯83号」と「中部糯57号」(後の「ココノエモチ」)を1987年に交配し、その交配後代系統から選抜された。耐倒伏性、穂発芽性及び玄米外観品質が優れ、白米及び餅の白度が高かったので、2008年2月に奨励品種に採用され「ミコトモチ」と命名し、2008年3月に品種登録を出願した。世代はF16である。
2.品種特性
「ヤシロモチ」と比較した特性は以下のとおりである(表1・表2・表3)。
1)出穂期が2日程度、成熟期が5日程度早い‘早生の晩’である。
2)稈長はやや短く、稈はやや太く、稈質もやや強く、耐倒伏性は‘中’で「ヤシロモチ」の‘弱’を上回る。穂数はやや多いが、草型は「ヤシロモチ」と同じ中間型である。
3)いもち病真性抵抗性推定遺伝子型は「ヤシロモチ」の‘Pita’に対して‘+’であるが、葉いもちほ場抵抗性は‘やや弱’、穂いもちほ場抵抗性は‘中’で「ヤシロモチ」と同等である。
4)穂発芽性は「ヤシロモチ」に優る‘中’である。
5)玄米収量は「ヤシロモチ」とほぼ同等である。
6)玄米千粒重は「ヤシロモチ」より重く、粒大は‘大’であり、玄米外観品質はやや優る。
7)白米の白度及び餅の白度はやや高い。
8)餅の食味は、味及び総合評価が「ヤシロモチ」にやや優る。
9)製餅後の硬化の速さは「ヤシロモチ」よりやや早い。
1.本品種は県下平坦部から標高300m以下の中山間部に適する。
2.耐倒伏性が中程度と「ヤシロモチ」に優るが、葉いもちほ場抵抗性が‘やや弱’のため、多肥栽培は避け、いもち病の基幹防除を徹底する必要がある。
3.穂発芽性が中程度と「ヤシロモチ」に優るが、適期収穫に努める。
[具体的データ]
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| [その他] | ||
| 研究課題名 | :水稲新品種育成試験 | |
| 予算区分 | : 県単 | |
| 研究期間 | :1987~2007年度 | |
| 研究担当者 | : 田中 亙、播磨邦夫、月森 弘、安達康弘、杉山万里、高橋眞二、吾郷宏光、富田節雄、加納正浩、山本 朗、松崎友史、福田 誠、藤原耕治、安原宏宣、陶山研治、神田正治、重栖睦弘、広沢敬之 | |
| 発表論文等 | : 品種登録出願中 第22363号 |