| [成果情報名] | 早生、多収で果実品質の良いイチゴ新品種「まりひめ」 |
| [要約] | 「まりひめ」は「章姫」と「さちのか」の交配実生から選抜・育成した促成栽培向けの新品種で、上物率が高く、糖度(Brix)9以上で安定して高い。また、「さちのか」と比較して、収穫開始が2週間以上早い12月上旬からで、4月までの収量が20%以上多い。 |
| [キーワード] | イチゴ、品種育成、促成栽培、早生、多収 |
| [担当] | 和歌山農総セ・農試・栽培部 |
| [連絡先] | 電話 0736-64-2300 |
| [区分] | 近畿中国四国農業・野菜 |
| [分類] | 技術・参考 |
和歌山県のイチゴの主要品種は「さちのか」であり、全体の約70%を占めている。「さちのか」は果実品質に優れ、市場評価が高いものの、収穫開始時期が12月下旬からと遅く、収量も少ないため必ずしも収益のあがる品種とはいえない。そこで「さちのか」に比べて、早生で収量が多く、果実品質も良い促成栽培向き品種を育成する。
1.「まりひめ」は2003年に「章姫」を子房親、「さちのか」を花粉親として交配し、その実生から選抜、育成した一季成りの促成栽培向き品種である。
2.草姿は中間~やや立性で、収穫開始期の草高は「さちのか」より高く、「章姫」、「紅ほっぺ」よりやや低い(表1)。小葉の大きさは「紅ほっぺ」と同程度で大きい。ランナーの発生は「さちのか」より少なく、「章姫」、「紅ほっぺ」より多い。
3.頂果房の花芽分化時期は9月15日前後、開花開始は11月上旬、収穫開始時期は12月上旬で「さちのか」に比べて2週間以上早い。頂果房の花数は平均21個で、「章姫」より少なく、「さちのか」と同程度である(表2)。頂果房の収量が多く、1月までの早期収量は「章姫」より多く、「紅ほっぺ」と同等である。第一次腋果房の出蕾はやや遅く、このため、2月の収量がやや少ない。4月までの総収量は「さちのか」より20%以上多い(表3)。
4.果実の大きさは「紅ほっぺ」と同等、「さちのか」よりも大きい。果形は肩部に丸みを帯びた円錐形で揃いが良く、上物率が高い(図1、表3)。果実の色は鮮紅色で厳寒期でも着色が良い。果皮および果肉の硬さは「章姫」よりも硬く、「さちのか」より軟らかい。
5.果実の食味について、糖度は「さちのか」と同程度で、「章姫」よりも高い(表2)。酸度(クエン酸換算値)は0.4~0.5%で「章姫」より高く、「さちのか」よりも低い。
1.炭疽病には「さちのか」と同程度に弱く、防除対策を徹底する必要がある。
2.定植後、心止まり株が発生しやすいので、育苗時~定植後初期の極端な肥料切れを避け、適切な潅水により速やかな活着を促すことで、発生防止に留意する。
3.低温期でも草勢が強いので、和歌山県の平坦部ではジベレリン処理や電照は不要と考えられる。
4.「さちのか」よりも日持ちが劣るので特に春季には適期収穫に努める。
5.2008年度は和歌山県内50aのモデル産地で試験栽培を実施している。今後、他府県への許諾については未定である。
[具体的データ]
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| [その他] | ||
| 研究課題名 | :
果菜類の産地レベルアップ技術開発
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| 予算区分 | : 県単 | |
| 研究期間 | : 2002~2008年度 | |
| 研究担当者 | : 西森裕夫、田中寿弥、東 卓弥、松本浩幸 | |
| 発表論文等 | :
品種登録申請:2008年3月13日 出願公表:2008年7月11日(出願番号:第22284号) |