[成果情報名]

ヤマノイモ青かび病を抑制する種芋消毒後の保存方法

[要約] ヤマノイモ青かび病に対して、種芋切片をイミノクタジンアルベシル酸塩水和剤(フロアブル)に 浸漬後、種芋をポリ袋などに入れて室温で保湿条件に保ち、速やかに定植を始め、長くても13日以内に 定植を終了すると発病が減少し、収量も確保できる。
[キーワード] ヤマノイモ、青かび病、種芋消毒、保湿保存
[担当] 兵庫農総セ・農技セ・環境・病害虫部
[連絡先] 電話0790-47-1222
[区分] 近畿中国四国農業・生産環境(病害虫)
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]
 ヤマノイモ(つくねいも)において青かび病(病原菌Penicillium sp.)に感染あるいは 発病した種芋切片を植え付けると、土壌中で腐敗が進行し、萌芽が遅れて初期生育が悪くなり、減収の 大きな要因になる。そこで、種芋消毒用に有効な殺菌剤を検討し、併せて消毒後から定植までの種芋切片の 的確な保存方法を確立する。
[成果の内容・特徴]
  1. 種芋切片をイミノクタジンアルベシル酸塩30%水和剤(フロアブル)200倍液に10分浸漬した場合、 種芋切片におけるPenicillium sp.菌そう発生は、全く認められず、 高い防除効果が認められる(図1)。
  2. イミノクタジンアルベシル酸塩で消毒した種芋を定植すると、萌芽が早く、初期生育が良好で、 収穫時、芋表面の菌そうの発生も認められず、収量も130kg/aと無処理の 約2倍であり、増収する傾向にある(図2)。
  3. イミノクタジンアルベシル酸塩30%水和剤(フロアブル)200倍液に10分浸漬し、 ポリ袋に入れて密閉して(保湿条件で)室温で保存した場合、定植後の種芋腐敗が抑制され、 萌芽長50cm以上の萌芽率は保存期間5、9、13日とも100%に近く、3区間で大差がなく、 保湿しないで(風乾)5日保存するよりもやや初期生育が良好である(図3)。 さらに収量も5、9、13日間で大差はなく、13日間保存することが可能である(図4)。
  4. 保湿条件であれば保存温度が室温(17℃)と5℃の温度間で、初期生育、収量に大差はなく、 あえて冷蔵する必要はない(図3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 青かび病に感染していなくても、種芋切片は乾燥すると生理的に萌芽力が低下するので、切片を 保湿条件で定植まで保存することがポイントである。
  2. 農家は種芋を土壌中に埋蔵して冬季貯蔵しているが、近年、冬季の気温上昇、降雪量の減少などにより 種芋が乾燥し活力が低下したものがあり、それを用いて消毒・保存した場合、防除効果がやや低下する。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 ヤマノイモの種芋腐敗の原因究明と種芋消毒技術の確立
予算区分 県単
研究期間 2005~2007年度
研究担当者 2005~2006年;高木 廣、2007年;前川和正
発表論文等 前川・高木(2009):関西病虫研報51:39~40.

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