[成果情報名]

紫外光照射によるナスおよびトマトの病害防除

[要約] ビニルハウス内でナスおよびトマトに紫外光(UV-B)を日中6時間、連日照射し、生物農薬と併用する 防除体系において、ナスすすかび病や灰色かび病、トマトうどんこ病の発病を遅延または抑制できる。
[キーワード] 紫外光照射、ナス、トマト、病害防除
[担当] 大阪農総研・食の安全研究部・防除土壌グループ
[連絡先] 電話072-958-6551
[区分] 近畿中国四国農業・生産環境(病害虫)
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 ナス、トマトなどの果菜類は主として施設栽培で生産されており、露地栽培で発生の少ない すすかび病や灰色かび病などの病害が多発している。これらの防除対策としては薬剤散布が中心であるが、 近年、減農薬栽培が望まれており、薬剤散布に替わる防除技術の開発が必要である。そこで、植物の 病害抵抗性を利用した省力的な防除法として紫外光照射による施設ナスおよびトマトの病害防除技術を 確立する。
[成果の内容・特徴]
  1. 紫外光照射装置にはUV-Bランプ(20W,波長域:約280~320nm)を使用する。ビニルハウス内張骨材 紫外光照射装置にはUV-Bランプ(20W,波長域:約280~320nm)を使用する。 ビニルハウス内張骨材(畝間から高さ2m)に3m間隔で畝と垂直に、15m2当たり1台の割合で 千鳥状に設置する(図1)。午前10時から午後4時までの6時間、連日照射する。
  2. 1.を設置したビニルハウスに、水ナス「絹皮」を定植し、1.5ヶ月後にUV-Bを照射し始めると、 すすかび病の発病の最盛期において生物農薬との併用により対照区(殺菌剤散布)の40%まで 抑制する(図2)。また、灰色かび病の累積発病果数は、対照区の10%まで 強く抑制する(図3)。
  3. 2.と同様のハウス内にトマト「桃太郎」を定植し、1週間後にUV-Bを照射し始めると、 UV-B照射区ではトマトうどんこ病の発病が対照区より約10日遅延し、対照区の50%まで 抑制する(図4)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 紫外光照射は発病前からの予防的な使用が効果的と考えられ、発病後は生物農薬または殺菌剤散布と 併用する。
  2. これらの病害以外でも、紫外光を照射することによって、トマト葉かび病およびトマト灰色かび病の 発病抑制が認められている。
  3. ナス果実への日焼け症状を回避するため、植物体から120cm以上離して器具を設置する。植物体が 生長し、器具との距離が短くなり、葉や果実に日焼け障害を起こす危険性があるため、 天井のある程度高いハウス(高さ3m程度)での利用に制限されるという課題もある。また、 低温で曇天・雨天が続いた場合、葉や果実に日焼け症状が生じる場合がある。
  4. 共同研究機関パナソニック電工(株)より販売されている「タフナレイ」の使用上の注意事項を 参照する。なお、「タフナレイ」はイチゴ栽培においてのみの使用上の注意事項であるため、 立性野菜における設置台数はイチゴより多くする必要がある。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 紫外光(UV-B)照射による施設野菜生産システムの開発
予算区分 実用技術開発事業
研究期間 2007~2009年度
研究担当者 岡久美子、岡田清嗣、(兵庫県・パナソニック電工・千葉大学)

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