[成果情報名]

二酸化炭素くん蒸処理によるショウガクロバネキノコバエの防除

[要約] 種ショウガ根茎の貯蔵期間中に二酸化炭素濃度40%、20℃で24時間くん蒸処理すると、貯蔵害虫の 主要種であるショウガクロバネキノコバエに対して高い殺虫効果を示し、貯蔵中の根茎の障害や定植後の 生育への影響は認められない。
[キーワード] 種ショウガ、貯蔵害虫、ショウガクロバネキノコバエ、二酸化炭素、くん蒸
[担当] 和歌山農総セ・農試・環境部
[連絡先] 電話0736-64-2300
[区分] 近畿中国四国農業・生産環境(病害虫)
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 ショウガ産地では、貯蔵中の種ショウガ根茎がハエ目幼虫に食害され、しばしば大きな被害を受ける。 しかし、貯蔵期間中に処理できる登録薬剤はない。そこで、二酸化炭素くん蒸処理の農薬登録を行い、 防除技術を確立する。
[成果の内容・特徴]
  1. ショウガクロバネキノコバエに対して20℃で24時間処理した場合、二酸化炭素濃度40~60%で 高い殺卵効果が認められ、二酸化炭素濃度20~60%で高い殺幼虫効果が認められる(図1)。
  2. 二酸化炭素濃度40%、20℃で処理した場合、卵および幼虫に対して24時間処理で効果が高い (図2)。
  3. 二酸化炭素濃度100%、20℃で48時間および72時間くん蒸処理した場合には、約3か月後に貯蔵庫内に おいてショウガ根茎の腐敗や萌芽部位が変色する障害が発生し、処理時間が長いほど発症程度が 大きくなる。一方、二酸化炭素濃度20~100%、20℃で24時間くん蒸処理した場合は 障害が発生しない(図3)。
  4. 二酸化炭素濃度100%、20℃で24時間くん蒸処理した場合は、無処理に比べて発芽率、茎長(シュート長)、 収量が低下する。一方、二酸化炭素濃度20~80%、20℃で24時間処理した場合は、無処理と ほぼ同等の発芽率、生育を示す(表1)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 2010年1月15日現在、種ショウガ根茎に対する二酸化炭素くん蒸処理は農薬登録されていない。
  2. 本技術の農薬登録に向けて、種ショウガの入った段ボールをナイロン資材(天幕)で覆う方法 (0.7トン処理可能)による試験を実施中である。
  3. 高濃度の二酸化炭素ガスを体内に吸入すると、頭痛、呼吸困難、窒息等の症状が現れることがあるので 取り扱いに注意する。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 二酸化炭素による種ショウガの害虫防除実用化技術
予算区分 県単(戦略的研究開発プラン事業)
研究期間 2008~2010年度
研究担当者 小山昌志、島津康、篠﨑亜希(昭和炭酸株式会社)、福森正人(昭和炭酸株式会社)
発表論文等 小山(2009)関西病虫研報、51:79-80

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