[成果情報名]

施設土耕栽培バラにおけるカブリダニ類の秋期放飼によるナミハダニ被害抑制効果の比較

[要約] 秋期における施設土耕栽培バラのナミハダニに対する防除効果は、ミヤコカブリダニよりも チリカブリダニの方が高く、チリカブリダニは早期にナミハダニの個体数を抑制し、切り花の被害も 抑制する。
[キーワード] バラ、ナミハダニ、チリカブリダニ、ミヤコカブリダニ
[担当] 岡山農総セ・農試・病虫研究室
[連絡先] 電話086-955-0543
[区分] 近畿中国四国農業・生産環境(病害虫)
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 バラ産地では従来よりハダニ類の被害による品質低下が問題となっており、殺ダニ剤散布に多大な 労力を要している。農薬の散布労力の軽減を図るため、秋期の試験例がない施設土耕栽培バラ圃場での チリカブリダニ製剤およびミヤコカブリダニ製剤の放飼による、ハダニ類の個体数および被害の抑制効果を 比較する。
[成果の内容・特徴]
  1. チリカブリダニは早期にナミハダニを食い尽くし、高い密度抑制効果が認められる (図1)。
  2. ミヤコカブリダニはナミハダニを捕食することにより試験後半に個体数が増加するが、ナミハダニ密度の 抑制効果はチリカブリダニに比べて低い(図1)。
  3. 被害切り花率は、チリカブリダニ区の方がミヤコカブリダニ区よりも低い(図2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 施設花き類におけるチリカブリダニの登録放飼量は1回あたり2,000頭/10aである。本試験の 3回目の放飼では、カブリダニ2種の比較のため、ミヤコカブリダニの登録放飼量に合わせて 6,000頭/10aとしているので、実際の使用では登録内容を遵守して使用する。
  2. チリカブリダニとミヤコカブリダニの捕食特性は異なることから、今回の試験条件ではチリカブリダニの 効果が高いが、施設栽培イチゴのように2種の特性を活かしたリレー放飼など、 併用の可能性も考えられる。
  3. ハダニ類および他の病害虫の防除には、カブリダニ類に影響の少ない農薬を用いる (バイオロジカルコントロール協議会機関紙「バイオコントロール」資料:天敵に関する農薬の 影響表、参照)。
  4. 夏期高温時はカブリダニ類の活動が抑制されるので、放飼には不適である。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 天敵を活用した施設栽培バラのハダニ類防除技術の開発
予算区分 交付金(病害虫防除農薬環境リスク低減技術確立)
研究期間 2006~2008年度
研究担当者 田中律子、近藤章

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