[成果情報名]

トマトかいよう病菌の雨除け栽培圃場における伝染様式

[要約] 雨除け栽培圃場内におけるトマトかいよう病の発生の拡大には、第一次伝染源としての土壌伝染より 第二次伝染源としての地上部伝染の影響が強い。
[キーワード] かいよう病、分布様式、I δ指数、平均こみあい度
[担当] 岡山農総セ・農試・病虫研究室
[連絡先] 電話086-955-0543
[区分] 近畿中国四国農業・生産環境(病害虫)
[分類] 研究・参考

[背景・ねらい]
 県中・北部の雨除けトマト産地の一部で発生しているトマトかいよう病は激発すると甚大な被害を 引き起こすが、圃場における主な伝染方法には第一次伝染源としての土壌伝染(土壌から定植株への 伝染と、感染株の根が隣接する株に接触して伝染する場合がある)と、第二次伝染源としての管理作業に 伴う地上部伝染がある。発生の拡大にどちらの影響が強いかについて、発病株の分布様式を統計的に 解析することにより明らかにする。
[成果の内容・特徴]
  1. 半促成加温(最低10℃)栽培圃場(‘桃太郎ヨーク’3月5日定植、5月15日調査、1畝1列定植だが、 左右交互に誘引しており、見かけ上は1畝2列(図1)としているため、 3畝6列。株間60cm、畝幅1m)の発病株を列毎に集計した場合のI δ指数 (アイデルタ指数:ここでは発病株の分布状況を示す指数)は1より有意に高いことから 集中分布を示すが(図2左図3)、畝毎に集計したI δ指数は ほぼ1であることから、ランダム分布を示す(図2右図3)。
  2. 現地発生圃場(7圃場)において列毎に集計した場合の平均密度(m:ここでは集計した区内の 発病株数の平均値)と平均こみあい度(m*:ここでは集計した区内の発病株の 集中度を示す指数)の関係式はm*=1.41m+1.70の直線となり、 集中分布を示す(図4)。
  3. 以上の結果から、交互に誘引した列方向に発病株の分布が集中していると考えられ、土壌伝染よりも 地上部伝染の影響が強い。
[成果の活用面・留意点]
  1. 本病の発生が認められた圃場では管理作業による発生の拡大を防ぐため、手袋を着用し、手袋を 次亜塩素酸カルシウム等により消毒する必要がある。さらに、発病株の早期抜き取りを行う。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 雨よけトマトかいよう病の生態解明による総合的防除技術の開発
予算区分 交付金(病害虫防除農薬環境リスク低減技術確立)
研究期間 2006~2008年度
研究担当者 川口 章、谷名光治、井上幸次
発表論文等 Kawaguchi et al. (2010) Plant Pathol. 59(1):76-83.

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