[成果情報名]

黄色土水田におけるケイ酸資材連用中止によるケイ酸の持続効果

[要約] 鉱さいケイ酸質肥料と熔成リン肥の長期施用により蓄積した可給態ケイ酸は、施用を中止すると 年間0.545mg/100g減少する。しかし、施用中止10年程度は残効が認められ、水稲わらと穂のケイ酸含有率を 高く保つことができる。
[キーワード] 水稲、ケイ酸、蓄積
[担当] 和歌山農総セ・農試・環境部
[連絡先] 電話0736-64-2300
[区分] 近畿中国四国農業・生産環境(土壌)
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 肥料価格高騰により土壌蓄積養分の有効利用が求められていることから、水稲単作栽培での過去の 土壌改良による蓄積養分の持続効果を明らかにするため、鉱さいケイ酸質肥料、熔成リン肥を30年連用、 その後施用を中止し3要素のみで10年間栽培を行った場合のケイ酸資材の持続効果を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
  1. ケイ酸資材(鉱さいケイ酸質肥料、熔成リン肥)の施用中止による土壌養分の変動は、可給態ケイ酸と 可給態リン酸で大きく、交換性石灰、苦土、加里はわずかである。また、無施用区の土壌養分の変動は わずかである(表1)。
  2. 施用中止後の可給態ケイ酸含量は、無施用区では2mg/100g程度で推移し、ケイ酸資材を連用した区で 年々減少し、施用中止後10年で8mg/100gとなる。可給態ケイ酸含量と施用中止後の年数との間には、 高い負の相関が認められ、回帰式から推定した年間減少量は、0.545mg/100gである (図1)。
  3. 施用中止後のわらと穂のケイ酸含量は、無施用区に比べて高く維持され、わらのケイ酸含有率は10%前後で 推移する(図2)。
  4. 施用中止後の精玄米重は、50.4kg/a以上で推移し、施用中止後10年間の平均収量を無施用区と比較すると、 約4%増収する(図3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. ケイ酸資材長期連用後の持続効果に関する評価データとして活用できる。
  2. 可給態ケイ酸の測定は湛水保温静置法であり、地力増進法に基づく土壌改善目標値(15mg/100g以上)の 分析法とは異なる。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 環境負荷低減のための効率的土壌管理技術
予算区分 県単
研究期間 2007~2009年度
研究担当者 林恭弘、久田紀夫、橋本真穂、森下年起

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