[成果情報名]

トマト3段密植養液栽培の周年生産体系モデル

[要約] 閉鎖型育苗装置と2次育苗装置で育苗し、本ぽ施設を3ブロックに分けてNFTによるトマトの3段密植栽培を 行うと、年間3.6作、収量30t/10aを確保できる。
[キーワード] トマト、3段密植、養液栽培、NFT、周年生産
[担当] 兵庫農総セ・農技セ・農産園芸部
[連絡先] 電話0790-47-2423
[区分] 近畿中国四国農業・野菜
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]
 トマトの周年栽培を行う場合、長段での栽培は果実のそろいが安定しにくく、病虫害による欠株発生に より、収量の減少が生じやすい。そこで、高収量を目指すために、大量の苗を容易に育苗できる 閉鎖型育苗装置と、その後開花苗を育成するための2次育苗用のNFT装置を利用して、短期間で栽培を終えられる 3段密植養液栽培での周年栽培体系モデルを開発する。
[成果の内容・特徴]
  1. 閉鎖型育苗装置16㎡と2次育苗装置100㎡により、本ぽ10a分のトマト苗(6,250株)が生産できる。
  2. 本ぽには、NFT用の発砲スチロールベッドを1.6m間隔で配置して、株間10cmで定植し、振り分け 2条誘引とする(6,250株/10a)。
  3. 定植後の栽培日数は、5月は種で最短、9月は種で最長となる(表1)。
  4. 本ぽ施設を3ブロックに分け、各ブロックで作付け期間をずらすことにより、施設全体で年間3.6作が 可能となる(表2図2)。施設が30aとすれば、本ぽ面積に必要な 閉鎖型育苗装置と2次育苗装置は、各ブロックでの育苗時期が重ならないため、本ぽ10a分で済む。
  5. 1作の収量は、10a当たり6~12t(図1)で、年間では平均約30t確保できる。
[成果の活用面・留意点]
  1. 10a当たりNFT養液栽培装置と2次育苗装置が合計300万円、閉鎖型育苗装置は800万円である。育苗装置、 養液栽培装置はMKVドリーム(株)から入手できる。
  2. 労働時間は10a当たり1,700時間、粗収益900万円、経営費700万円(施設償却10年、労賃は含まない)として、 所得200万円となる。
  3. 冬期は10℃以上になるように暖房する。高温期は裂果が生じやすいため、施設の高温対策を講じる 必要がある。
  4. ほ場を3ブロックに分ける際には、農薬のドリフトがないようにする。
  5. 試験には72穴セルトレイを用い、育苗培養土は、与作N15を使用、供試品種は「桃太郎ヨーク」である。 育苗時はEC1.2dS/mの培養液を1日1回底面給液する。2次育苗は遮根シートを底に貼り付けた4cm径 ポットにセル苗を投入し、培養液を流した育苗専用のNFT装置で育苗する。本ぽは育苗ポットから苗を 引き抜き、定植する。
  6. 閉鎖型育苗装置1基には72穴セルトレイが96枚入り、約25日で本葉5~6枚の苗が育成できる。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 農作業支援ロボットを用いたトマト低コスト高生産システムの開発
予算区分 産学官連携
研究期間 2006~2008年度
研究担当者 竹川昌宏、土屋和
発表論文等 竹川ら(2010)兵庫農技研報(農業編)58:1-7

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