[成果情報名]

水稲育苗ハウスを利用したトマト3段密植プランター栽培

[要約] 水稲育苗ハウスを利用したトマト3段密植プランター栽培は水稲育苗終了後に2回作付けができる。 夏どり栽培は定植日が早いほど、秋どり栽培は8月20日前後に定植すると収量が多い。密植による茎葉の 遮蔽効果により、無遮光または30%程度の遮光で良い。
[キーワード] トマト、プランター栽培、3段密植、定植日、裂果、遮光、水稲育苗ハウス
[担当] 滋賀農技セ・栽培研究部・野菜担当
[連絡先] 電話0748-46-3083
[区分] 近畿中国四国農業・野菜
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 地域農業の担い手である水田作農家の所得向上・経営安定を図るため、育苗期間を除いて未活用の水稲 育苗ハウスを有効活用した果菜類のプランター栽培技術の開発が望まれている。しかし、水稲育苗後の作付け 期間は高温期にあたり、直売所等で有利販売が期待できるトマトでは収量・品質が低下しやすい。そこで、 盛夏期の草勢および果実品質の向上が期待できる3段密植栽培での定植適期と遮光による裂果軽減効果を検討する。
[成果の内容・特徴]
  1. トマトを3段密植栽培すると、水稲育苗終了後に夏期に収穫する作型(以下、夏どり栽培)と秋期に 収穫する作型(以下、秋どり栽培)の2回の作付けが可能である。定植から収穫収量までの日数は、 夏どり栽培では定植日による差は小さいが、秋どり栽培では8月10日定植以降、定植日が遅くなるほど、 収穫終了までの日数が長く、年次変動も大きい(表1)。
  2. 夏どり栽培では水稲育苗後にハウスが利用可能になれば直ちに定植する。夏どり栽培では定植日が早いほど 1果重が重く、総収量、上中物収量とも多くなる。秋どり栽培では定植時期が遅いほど裂果が少なく、 上中物率は向上するが、栽培後期の低温による上位段の着色不良により収穫可能な果実数が少なくなるため、 8月20日前後の定植が適する(表1)。
  3. 3段密植栽培の果房周辺照度は、密植による茎葉の遮蔽により、同じ高さにある長段栽培の果房に比べ 低くなる(図1)。
  4. 裂果や尻腐れ果の発生は遮光率による差が見られない。夏どり栽培では1果重が重く、収穫果数の多い 無遮光区で上中物収量が最も多い。秋どり栽培では年次変動が見られ、1果重が重く、収穫果数の多い 30%遮光区と無遮光区で多い(表2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 本試験に供試した品種は「桃太郎ファイト」、育苗期間は夏どり栽培は35日、秋どり栽培は30日とした。
  2. 供試施設はPOフィルムを被覆したパイプハウスで、遮光試験の被覆期間は2008年度は7月10日~9月9日、 2009年度は7月1日~9月10日とし、遮光資材は各遮光率のら~くらくネットを用いた。
  3. 滋賀県安土町大中における7~9月の日平均気温は、2008年度は平年比-0.1℃、2009年度は-1.2℃であった。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 水稲育苗ハウスを活用した野菜のプランター栽培技術の開発
予算区分 県単
研究期間 2007~2009年度
研究担当者 高澤卓弥(2007~2009)

目次へ戻る