[成果情報名]

無側枝性の遺伝様式および無側枝性を有する二輪ギク新品種候補の育成

[要約] 二輪ギクと無側枝性輪ギクの交配においては、交配の正逆にかかわらずF1で9~54%無側枝性が発現する。 このF1の中から、適度の無側枝性と段咲き性を有する黄二輪ギクの新品種候補「0709Y31」を育成した。
[キーワード] 新品種、無側枝性、遺伝様式、二輪ギク、段咲き性
[担当] 奈良農総セ・研究開発部・生産技術担当・花き栽培チーム
[連絡先] 電話0744-22-6201
[区分] 近畿中国四国農業・花き
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]
 二輪ギクはかつては全国各地で生産されていたが、摘芽・摘らいの労力が大きいことや生け花需要の 低迷によって産地が減少してきている。こうした中、奈良県の二輪ギクは希少品目として高い市場評価を 得ており、フラワーアレンジメント等の新たな需要開拓も産地として推進している。そこで、省力化を図るため、 無側枝性と段咲き性に優れた二輪ギク新品種を育成する。
[成果の内容・特徴]
  1. 無側枝性の全く見られない産地既存の二輪ギク4品種と無側枝性輪ギク4品種とのF1実生の 無側枝性は、交配の正逆にかかわらず9~54%発現する(表1)。F1実生の多くは半八重咲きとなるが、 無側枝性を有する一重咲き個体はF1でも得られる。
  2. このF1系統と既存二輪ギク品種との戻し交配後代(BC1)においては、無側枝性が見られないF1系統の 後代にも、無側枝性を有する個体が7%程度得られる(表2)。
  3. 2006年11月に無側枝性輪ギク「鈴鹿の紅」を子房親に、県内生産者育成の二輪ギク「白寿」を花粉親と した交配実生から、適度の無側枝性(全ての切り花で二輪仕立てが可能)と段咲き性(第1側花が頂花の 2~5cm程度上方に開花する性質)を有する新品種候補「0709Y31」を得た。
  4. 「0709Y31」は、無側枝性を有する明緑黄(JHSチャート2705)一重咲きの二輪ギク品種である。頂花と 側花の段差は3~5cm程度、花径は60mm程度、花弁は30枚程度である(図1表3)。
  5. 「0709Y31」の無側枝性程度は、えき芽の発生が上位15節のうち4~5節で、全ての切り花で二輪 仕立てが可能である(表3)。一方、春期の萌芽は良好で摘心後の不萌芽株は発生しない。
  6. 「0709Y31」の季咲き時期は、3月28日定植で7月下旬、5月8日定植で8月下旬、6月5日定植で 9月中旬である。
[成果の活用面・留意点]
  1. 「0709Y31」は、無遮光のハウス内など強い高温条件で貫生花が発生することがあるため、7~9月 開花の露地季咲き栽培が適する。
  2. 2010年2月に品種登録出願を予定しており、栽培には奈良県との許諾契約が必要である。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 花きの省力・多収栽培を可能にする計画的生産システムの開発
予算区分 県単
研究期間 2006~2009年度
研究担当者 仲照史、有馬毅、角川由加、小山裕三
発表論文等 品種登録2010年2月10日出願(仮称「千都の輝」)

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