[成果情報名]

小ギクのSTS処理による収穫後の黄変葉発生抑制技術

[要約] 小ギク切り花に対してSTSを0.25mM濃度で3~6時間、あるいは0.5mM濃度で1時間吸収させることに より、障害なく生け花後の黄変葉の発生を抑制し、日持ち性を高めることができる。
[キーワード] エチレン、日持ち、小ギク、黄変葉、STS
[担当] 兵庫農総セ・農産園芸部
[連絡先] 電話0790-47-2424
[区分] 近畿中国四国農業・花き
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]
 小ギク切り花の生け花後の黄変葉発生は、日持ち性を大きく低下させる。特に夏秋作型の出荷期である 高温期での発生が多い。この黄変葉はエチレンにより、誘導されることが明らかになっている。そこで、 小ギク切り花に対して、エチレン作用阻害剤であるSTSの出荷前処理技術の実用化を図る。
[成果の内容・特徴]
  1. 露地栽培で7月24日に収穫した「みのる」の切り花に対して、濃度を0、0.25、0.5、1mMとしたSTS (チオ硫酸銀錯塩)溶液をそれぞれ1、2、3、6、12、24、48時間吸収させた後、100ppm エセフォン溶液に生け、葉の黄変指数の推移を比較すると、0.25mMの3時間以上、0.5mMの1時間以上の 処理により、14日間以上、葉の黄変が抑制される(図1)。
  2. 0.25mMの12時間以上、0.5mMの2時間以上および1mMの1時間以上の処理では、葉に黒斑状の障害が 認められる(表1)。
  3. STS溶液の吸収量から算出した銀吸収量と葉の黄変指数を比較すると、切り花重100g当たりの銀吸収量が 3~10μmolで黄変が抑制されるが、6μmol以上では葉に障害が発生する(図2)。
  4. 以上の結果から、小ギク切り花に対して、STSの0.25mM溶液では3~6時間、あるいは0.5mM溶液では 1時間吸収させることにより、黄変葉の発生を抑制し、日持ち性を高めることができる。しかし、 STSの長時間処理、あるいは短時間でも高濃度処理では、葉に障害が発生することから、切り花新鮮重 100g当たりの銀吸収量は、3~5μmolとするのが適当である。
[成果の活用面・留意点]
  1. 本成果は、エチレンの影響を明確にするため、100ppmエセフォン溶液に生けた実験結果である。
  2. 本成果は、STS処理を長さ50cmの切り花を気温25℃、照度1klx、24時間日長の条件下で実施した 結果である。そのため、処理条件によって銀の吸収量が変化する場合があるので、あらかじめ、STS溶液の 吸収量から、銀吸収量を推察しておく必要がある。
  3. 市販のSTS入り品質保持剤を使用する場合は、原液濃度(mM)を必ず確認する。
  4. 他品種でも効果は確認済みであるが、実施にあたっては、あらかじめ栽培した品種で効果を確認するのが 望ましい。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 小ギクの一斉機械収穫・調整システムの開発
予算区分 実用技術
研究期間 2008~2010年度
研究担当者 山中正仁、小山佳彦、水谷祐一郎(兵庫農総セ)、仲照史(奈良農総セ)

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