[成果情報名]

挿し芽苗と暗期中断による5~6月咲き小ギクの開花斉一性と切り花品質の向上

[要約] 5~6月咲き小ギクの無加温施設による半促成栽培において、挿し芽育苗と生育中期までの暗期中断を 組み合わせることにより、切り花長を確保しつつ、開花斉一性の向上が可能となる。消灯時期の限界は 中晩生品種で4月中旬までである。
[キーワード] 5~6月咲き小ギク、半促成、暗期中断、開花斉一性
[担当] 奈良農総セ・研究開発部・生産技術担当・花き栽培チーム
[連絡先] 電話0744-22-6201
[区分] 近畿中国四国農業・花き
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 近畿中国四国地域の5~6月咲き小ギク生産は、夏ギク型品種を用いて、露地季咲き栽培と無加温 ハウスでの半促成栽培が行われている。しかし、半促成栽培では、早期開花による切り花長の不足と開花の 不斉一による出荷ロットの不足が生産上の問題となっている。そこで、挿し芽育苗と暗期中断の併用により、 これらの問題点を解決する生産安定技術を組み立てる。
[成果の内容・特徴]
  1. 挿し芽苗は、定植苗基部から発生する冬至芽を切り花に仕立てる慣行のかぎ芽苗に比べて開花揃いが 良く、開花斉一性も向上する(図1)。
  2. しかし、挿し芽苗では慣行のかぎ芽苗に比べて、開花節数が減少し、切り花長が短くなる(表1)。
  3. 挿し芽苗に深夜4~6時間の暗期中断を組み合わせることにより、中晩生品種では切り花長を確保 しつつ、開花の斉一性を高めることができる(図1表1)。
  4. 5~6月咲き小ギクに対する暗期中断は、1月に開始し3月に消灯すると開花促進に、4月以降まで継続 すると開花遅延に働く(図2)。
  5. 花芽分化以降の電照継続は、頂花下がり、柳芽発生、側花花首長の徒長など花房型の乱れを生じるため、 消灯時期の限界は「雪舟」、「白がすり」等中晩生品種で4月中旬までである(図3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 「清姫」等早生品種では4月中旬までの暗期中断でも花房型の乱れが大きくなるため、消灯時期の限界は 品種に応じて厳守する。
  2. 開花斉一性を高めるため、2~3月の換気温度は23oC程度とする。
  3. 本試験の電照は、75Wの電照用白熱灯を約7m2に1灯の割合で設置した。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 高品質切り花の効率的生産技術の開発
予算区分 県単
研究期間 2001~2003年度(平成13~15年度)
研究担当者 角川由加、仲照史、前田茂一
発表論文等 仲ら(2008)奈良農総セ研報39:17-24

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