[成果情報名]

熱融着性ポリエステル繊維で固化した屋上緑化基盤における花壇苗の施肥技術

[要約] 熱融着性ポリエステル繊維で固化した屋上緑化基盤を用いた春夏期花壇苗の施肥管理では、定植時に 固形肥料を株元に置肥すると初期生育が旺盛となり、定植2~3週間後からは、生育及びコスト面を考慮し 窒素濃度50ppmの液肥施用が適している。
[キーワード] 熱融着性ポリエステル繊維、固化基盤、屋上緑化、薄層培地、花壇苗、施肥
[担当] 京都農技セ・園芸部
[連絡先] 電話0771-22-6492
[区分] 近畿中国四国農業・花き
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 熱融着性ポリエステル繊維で固化した屋上緑化基盤(以後、固化基盤とする)は軽量で、強風にも 飛散しにくく、屋上での植栽に用いる培地の条件を有している。供試した固化基盤は厚さ5cmの薄層培地で あり、これまでに花壇苗に対しての利用が少なく栽培管理方法の検討が行われていない。そこで、固化基盤に おける花壇苗への施肥方法について検討する。
[成果の内容・特徴]
  1. 図1で示した固化基盤に9cmポット苗を定植し、定植時に錠剤タイプの固形肥料を 株元に置肥すると、液肥施用に比べ初期の肥効が高く生育が旺盛になる(表1)。
  2. 定植2~3週間後からの液肥施用は、窒素濃度50ppmと70ppmとの間に、地上部乾物重及び被覆率で大きな 差はなく、窒素濃度30ppmでは生育が劣る(図2)。 
    従って、窒素濃度30ppmより生育が旺盛になる50~70ppmで給液管理することが望ましい。
  3. 以上の結果とコスト面を考慮し、点滴チューブを用いた窒素濃度50ppmでの液肥による給液管理方法を 作成し表2に示す。給液方法(給液量、給液回数など)は、今回の試験で実際に行った方法を 基に記載している。
[成果の活用面・留意点]
  1. 十分に水分を含んだ固化基盤と十分に生育した苗(草丈30cmのベゴニアで算出)の重さを合計 しても50~55kg/m2となり、一般住宅の積載荷重(地震力算出用:60kg/m2)以下であることから、本基盤に よる花壇苗を用いた屋上緑化は可能である。
  2. 基盤の培地素材であるピートモスとパーライトの組成割合について検討したが、生育、盛夏期の水分 保持能力、耐久性などから、今回供試したピートモス8、パーライト2(v/v)の組成割合が適している。
  3. 同一の固化基盤を使用し、春期と秋期の年2回の植え替えを行って3年間連用したが、新しい基盤との 生育の違いは認められず、基盤の連用は可能である。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 近畿圏の花とみどりを創出する環境適応性に優れた花き苗の開発
予算区分 実用技術開発事業
研究期間 2006~2008年度
研究担当者 末留 昇、長澤淳一
発表論文等 末留ら(2009)近畿中国四国農研、14:14-19

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