[成果情報名]

STSの開花前処理による花き苗の落花抑制技術

[要約] エチレン感受性の高い花き苗に対して0.2mMのSTS溶液を開花前に散布することにより、落花を抑制し、 品質保持期間を延長できる。
[キーワード] エチレン、STS、品質保持、落花抑制、花き苗
[担当] 兵庫農総セ・農産園芸部
[連絡先] 電話0790-47-2422
[区分] 近畿中国四国農業・花き
[分類] 研究・参考

[背景・ねらい]
 花き苗の品目の中には、店頭陳列時にエチレンの作用により落花が起こり商品価値を落とすものがある。 これまで花き苗のエチレン感受性について詳細な分類は行われていないため、落花がエチレンの作用による ものかどうかよくわかっていない。そこで、花き苗の主要品目についてエチレン感受性およびSTS (チオ硫酸銀錯塩)による落花抑制効果を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
  1. 花き苗の主要17品目についてエチレン発生を誘起するエセフォン溶液(4ml/株)を開花株に散布して 落花数を調査した。ナデシコではエセフォン濃度が高いほど落花数が多くなる傾向になり、エチレン 感受性が高いことが認められる(図1)。その他、キンギョソウ、 ニチニチソウ、ゼラニウム、サルビア、インパチェンス、パンジー、ミニシクラメンにエチレン感受性が 高いことが認められる(表1)。
  2. 開花前のサルビアおよびニチニチソウへのSTS散布(5ml/株)により落花抑制効果が認められる (図2図3)。0.1mM以上の濃度で落花抑制効果が高く、0.2mMの散布では処理10日後で 無処理に比べ落花数は50%以下になる。その他、ナデシコ、キンギョソウ、ゼラニウム、インパチェンスに 落花抑制効果が認められる(表1)。エチレン感受性のあるパンジー、 ミニシクラメンはSTSの効果は認められない。
  3. 以上の結果より、開花前にSTSを0.2mMの濃度で1株当たり5ml散布することにより、薬害を発生させる ことなく落花を抑制できる。
[成果の活用面・留意点]
  1. 開花後のSTSの散布は0.1mM以上の濃度で花弁を傷めることがあるので、開花前に散布するようにする。
  2. 品目によりSTSの効果に差があるので、事前に試験し適正濃度を確認しておく。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 近畿圏の花とみどりを創出する環境適応性に優れた花き苗の開発
予算区分 実用技術
研究期間 2006~2008年度
研究担当者 石川順也、山中正仁、小山佳彦、水谷祐一郎

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