[成果情報名]

ほ場への直接挿し木で、イチジク「桝井ドーフィン」の初年度収量は増加する

[要約] イチジク「桝井ドーフィン」の超密植栽培においては、苗木を定植するよりも定植位置に直接挿し木して 育成する方が、移植等の苗木養成労力を省力できる。また、初期生育が優れ収穫果実数が増加し、果実も 大きくなることから、開園初年度の収量が多い。
[キーワード] イチジク、超密植、直接挿し木、生育、収量
[担当] 兵庫農総セ・農技セ・農産園芸部
[連絡先] 電話0790-47-2424、電子メールtakashi_mano@pref.hyogo.lg.jp
[区分] 近畿中国四国農業・果樹
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]
 イチジク「桝井ドーフィン」は開園にあたって大量の苗木を必要とする(通常125本/10a)。特に本県で 開発した超密植栽培では、面積当たりの苗木栽植本数が最高その5倍程度となり、挿し木が容易なイチジクでも 苗木養成、定植労力には多大な労力やコストを要する。そこで、直接ほ場に挿し木を行って育成した (直接挿し木)イチジク樹の生育、収量、品質面での有効性について検討する。
[成果の内容・特徴]
  1. 直接ほ場に挿し木を行うことによって苗木移植作業を省略できる。
  2. 挿し木の活着を良好にするためにドリップ、チューブなどで適宜潅水を行う。挿し木後は透水性の防草 シートなどで雑草管理を行う(図1)と省力的である。
  3. 直接挿し木樹は、苗木定植樹よりすべての項目で生育良好である(表1図1)。
  4. 果実の収穫開始は、苗木定植樹より直接挿し木樹の方が、約半月早くなる。収穫果数は2倍程度になり、 1樹当たりの収量も多い(表2)。
  5. 果実の大きさは、直接挿し木樹の方が大きくなる。また、果実の形状は苗木定植区の方がやや丸い果実 となる。果実の割れは直接挿し木樹の方が大きく、果実の着色は苗木定植区の方がやや良い。 糖度に差はない(表3)。
  6. 以上より、イチジクの苗木を定植するよりも直接挿し木によって定植位置で育成する方が、初期生育は 優れ、果実も大きいことから、初年度の収量も多い。果実品質の市場性にも問題は認められない。
[成果の活用面・留意点]
  1. 超密植栽培以外に通常の栽培においても利用可能である。
  2. 生育良好となり、特に「桝井ドーフィン」は凍害を受けやすくなるので防寒する。
  3. イチジク[桝井ドーフィン」の挿し木活着率は8~9割と高く、同一定植位置に2本挿し木すれば欠株 発生の危険性を下げることができる。
  4. 穂木の採取は、株枯病発生のない地域、園から行う。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 イチジクの5倍密植栽培の長期安定生産技術の開発
予算区分 県単
研究期間 2006~2010年度
研究担当者 真野隆司、水田泰徳、小山佳彦

目次へ戻る