[成果情報名]

加速度センサーによるレモンの収穫から選果工程までの衝撃の実態解明

[要約] 加速度センサーを組み込んだ擬似レモンを用いて、果実の衝撃を測定できる。衝撃の主な要因は、選果機の 段差、収穫時の果実の投げ入れ、選果機の回転ドラムなどである。レモンは、収穫から選果工程の間では、 選果時に最大の衝撃を受けている。
[キーワード] レモン、衝撃、加速度、収穫、選果
[担当] 広島総技研・農技セ・果樹研究部
[連絡先] 電話0846-45-5472
[区分] 近畿中国四国農業・果樹
[分類] 研究・参考

[背景・ねらい]
 広島県のカンキツ産地では、腐敗防止剤を散布しないで収穫したレモン果実を2007年(平成19年)から、 フィルム個装後低温で夏季まで貯蔵(以下、長期貯蔵と記す)し、出荷を行っている。しかし、貯蔵中および 出荷後に腐敗(緑かび病・青かび病および軸腐病等)が多発し問題となっている。生産者団体からは、腐敗の 原因究明と軽減対策の確立が求められている。そこで、腐敗の発生原因のひとつとして果実が受ける衝撃の関与を 想定し、収穫から選果までの工程における衝撃の実態を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
  1. 発泡スチロールの中に加速度センサー(G-MEN NR50α、スリック社製)を組み込んだ擬似レモン (図1)を用い、落下させたときに生じる加速度は、回帰式y=6.97x0.54 (R2 = 0.98、n=8、y:加速度G、x:落下高cm)で表され(図2)、 擬似レモンを用いることでレモン果実が受ける衝撃を測定できる。
  2. 収穫から選果までの工程で果実が受ける衝撃は、選果時が最も加速度が大きく回数が多く、次いで収穫時、 園地から選果場までの運搬時の順に大きい(図3)。
  3. 収穫時の衝撃は、収穫カゴへの果実の投げ入れ、その後に投げ入れられた果実間の衝突、収穫カゴから コンテナへの移し変えおよびコンテナ底面に敷いた緩衝用の布の除去が主な要因である (図3図4a~c)。
  4. 運搬時の衝撃は、コンテナを車の荷台へ積み込む時や選果場へ荷下ろしする時に大きいが、収穫時や 選果時に比べると加速度は小さい(図3)。
  5. 選果時の衝撃は、光センサーに入る直前の段差、回転ダンパーからブラッシング前の段差、選果レーンから 箱詰めラインへの落下・壁への衝突、乾燥工程の段差、小玉除外のための回転ドラム、ブラッシングなどが 主な要因である(図3図4d~f、h~k)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 加速度センサーを組み込んだ擬似レモンを用いることで、レモン果実が受ける衝撃の程度と長期貯蔵 および出荷後の腐敗果発生との関係解明や腐敗軽減技術(収穫方法の改善、選果方法および選果機工程の 見直し・改善、選果機の衝撃緩和資材の利用等)の確立に利用できる。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 長期貯蔵中のレモンの腐敗・果皮障害果発生要因の解明
予算区分 県単
研究期間 県単年度
研究担当者 塩田 俊、池田裕朗、赤阪信二、原 敬和

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