[成果情報名]

岡山県赤磐市における気温の年次推移とモモ・ブドウの生育との関係

[要約] 岡山県赤磐市の過去28年間の気温およびモモ「清水白桃」、ブドウ「ピオーネ」の生育期の推移を解析 したところ、最高気温の年平均値と2月、9月および10月の最高気温の上昇傾向、モモ生育期の早期化および ブドウ落葉期の遅延化傾向が認められる。
[キーワード] ブドウ、モモ、温暖化、生育期
[担当] 岡山農総セ・農試・果樹研究室
[連絡先] 電話086-955-0276
[区分] 近畿中国四国農業・果樹
[分類] 行政・参考

[背景・ねらい]
 近年、温暖化傾向が顕在化しつつあり、果樹の生育に及ぼす影響が懸念されているものの、その実態は 判然としない面が多い。このため、過去の気温およびモモ、ブドウの生育期の推移から、その影響を検討する。
[成果の内容・特徴]
  1. 検討方法は、岡山県農業総合センター農業試験場(岡山県赤磐市)における過去28年間の気温とモモ 「清水白桃」およびブドウ「ピオーネ」の生育期について、年次変化を回帰分析するとともに、生育期と 気温との関係を単相関で解析する方法である。なお、気温は1日の極値を最高気温および最低気温とし、 その平均値を平均気温とし、それぞれ月平均値および年平均値を算出して解析に用いた。
  2. 過去28年間の平均気温の年平均値に上昇傾向は認められないが、最高気温の年平均値は上昇傾向にあり、 特に2月、9月、10月の最高気温の平均値の上昇傾向が顕著である。なお、最低気温については3月の 平均値に下降傾向がある(表1)。
  3. モモ「清水白桃」の生育期では、満開日と収穫開始日が早くなる傾向がある(表2)。 満開日は年平均気温および前年12月~4月の気温、収穫開始日は年間気温および2月~5月の気温が 高いほど早まるが、これらの気温は過去28年間の上昇傾向はなく、生育期の早期化との関係は今のところ 判然としない(表3)。
  4. ブドウ「ピオーネ」の生育期では、落葉終了日が遅くなる傾向が認められる(表2)。 落葉終了日は10月の気温が高いほど遅れるため、落葉終了日の遅延化は過去28年間の10月の気温上昇の 影響と考えられる(表3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 温暖化の傾向を把握し、対策技術の確立の基礎資料とする。
  2. 気温の年次推移と果樹の生育との関係は各地域、樹種、品種ごとに評価する必要がある。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 秋冬期の温暖化に対応したもも・ぶどうの生産安定化技術の開発
予算区分 県単
研究期間 2009年度
研究担当者 永井真弓、倉藤祐輝、安井淑彦、尾頃敦郎、藤井雄一郎

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