[成果情報名]

初冬及び春の放牧期間延長技術に適したイタリアンライグラス等の選定

[要約] 和牛繁殖牛の放牧期間を延長するためにイタリアンライグラスとライ麦を初冬の1番草と翌春の再生草の 2回、放牧利用し適品種を検討したところイタリアンライグラスの中生~中晩生種が良好である。ライ麦の 春一番は、1番草を放牧利用し、再生草は採草利用する場合は有効である。
[キーワード] 放牧期間延長、繁殖和牛、イタリアンライグラス、水田
[担当] 岡山総畜セ・大家畜部・酪農飼料科、和牛改良部・生産技術科
[連絡先] 電話0867-27-3321
[区分] 近畿中国四国農業・畜産草地
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 中山間地域において、繁殖和牛を放牧し、低コストで飼養する技術が普及しており耕作放棄地等で 利用されている。しかし、冬期には、草資源が少ないため一部備蓄草地の利用が試みられているが、冬期放牧は すすんでいない。そこで、冬期の放牧期間を延長するためて、水田裏にイタリアンライグラス等を作付けし初冬の 1番草と再生草を2度利用するのに適した草種・品種を検討する。
[成果の内容・特徴]
  1. イタリアンライグラスの4品種(シワスアオバ・ワセアオバ・タチムシャ・マンモスB)とライ麦の春一番 を2008年9月25日に水稲収穫後の水田に播種し、1番草は、12月18日から1月7日まで再生草は4月17日 から6月10日まで放牧利用。放牧時の調査は1番草は12月19日、12月24日、1月6日、再生草は4月22日、 5月7日、6月1日に実施。施肥は窒素、リン酸、カリをそれぞれ0.6kg/a、播種量は、イタリアン ライグラスは300g/a、ライ麦は1,000g/aとする。28m×27mの試験区を3区作り、それぞれの試験区の中に 5.6m×27mの区を5区設定し、乱塊法で品種を配置。短辺に2本の電気牧柵を設置し、 1日に2~2.5m移動する集約放牧とする。
  2. 放牧利用前では、各品種とも乾物は10%未満で、放牧利用時ではシワスアオバ、春一番のDM率が高い。CPは 各品種とも放牧牧開始前には20%以上と高いが、春一番は、放牧開始時では大きく低下する。再生草は、 放牧開始前にはCPは13~18%と高いがシワスアオバを除き放牧利用時には大きく低下する(表1)。
    硝酸態窒素は、非常に高く、マンモスB、春一番は、11月20日には特に高いが急激に低下する。再生草 では、1番草より低いが4月22日のシワスアオバが2410ppmと高い(表1)。
  3. 草丈利用率は、1番草では、ワセアオバ、タチムシャ、マンモスBが高く、シワスアオバは、出穂揃いの 12月24日には低下する。春一番は、イタリアンライグラスに比べて低い。再生草では、シワスアオバ、 ワセアオバが良好である(表2)。
  4. 生草利用量は、1番草ではワセアオバ、タチムシャ、マンモスBが多く、シワスアオバと春一番は、急激に 低下する。再生草ではマンモスB、タチムシャ、シワスアオバが多い(表3)。
  5. 乾物利用量は1番草では、ワセアオバ、タチムシャ、マンモスBが良好である。春一番は1月6日には急激に 低下する。再生草では、タチムシャ、マンモスBが良好(表4)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 硝酸態窒素が1番草では非常に高くなるので、窒素施用量の低減等の対策と、イネWCSとの併用等の対策が必要である。
  2. 試験実施場所は、標高250m、年平均気温13℃、根雪の無い地域である。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 放牧と水田等を組み合わせた周年屋外飼養技術の確立
予算区分 えさプロ
研究期間 2008~2009年度
研究担当者 長尾伸一郎、木曽田繁

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