[成果情報名]

高糖分飼料イネ「中国飼198号」の消化特性及び栄養価

[要約] 高糖分飼料イネ「中国飼198号」は繊維の消化率が高い特性があり、乾物中の可消化養分総量は59.0%と 推定される。このことから、「中国飼198号」は従来の飼料イネよりも、養分要求量が多い泌乳牛や肥育牛へ 多給が可能な自給粗飼料である。
[キーワード] 飼料イネ、高糖分、繊維、消化率
[担当] 広島総技研・畜技セ・飼養技術研究部
[連絡先] 電話0824-74-0331
[区分] 近畿中国四国農業・畜産草地
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 従来の飼料イネよりも子実形成量が少なく、耐倒伏性に優れ、茎葉中の糖含量が高い特性を有する 高糖分飼料イネ「中国飼198号」は、単位収量を増加させるための多肥栽培や、肥育牛向けのβカロテン含量を 低下させる遅刈栽培など、特性を活かした栽培面での活用が有望な新系統である。一方、家畜の飼料としての 価値は未知数である。そこで、消化率及び可消化養分総量を調査し、「中国飼198号」の消化特性及び栄養価を 明らかにする。
[成果の内容・特徴]
  1. 黄熟期に収穫した「中国飼198号」のロールラップサイレージ(表1)は、従来の普及品種である 「クサノホシ」よりも、茎の溶解性分画割合が多く、分解性分画の分解速度が速い(表2)。 また、茎の第一胃内有効分解度が高い(表2)。
  2. 「中国飼198号」は粗繊維及び中性デタージェント繊維の消化率が、「クサノホシ」よりも8~10ポイント 高い(表3)。
  3. 粗タンパク質、粗脂肪、可溶無窒素物の消化率は、「中国飼198号」も「クサノホシ」と同程度の 値である(表3)。
  4. 「中国飼198号」の可消化養分総量は、「クサノホシ」よりも3.5ポイント高い(表3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 繊維の消化性や可消化養分総量が高いことから、「中国飼198号」は、養分要求量が多い泌乳牛や肥育牛に おいて、多給と乾物摂取量の増加が期待できる粗飼料である。
  2. 飼料イネサイレージを牛に給与する際に、不消化子実の排泄による栄養ロスが生じるが、「中国飼198号」 は子実形成量が著しく少ないため、その栄養ロスも生じにくい利点がある。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名 高糖分飼料イネを核とした中山間地域耕畜連携システムの確立
予算区分 次世代耕畜連携
研究期間 2009~2012年度
研究担当者 河野幸雄、城田圭子、塚崎由子

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