超小型風筒式防除機
[要約]
その場旋回
でき、機体幅が
800mm
と
小型
で薬液を空気流にのせて遠方集中散布できる
風筒式防除機
を開発した。本機による薬液の有効到達距離は
15m
であり、
傾斜地カンキツ園
を大幅に改造しないで楽に精度よく防除作業ができる。
四国農業試験場・地域基盤研究部・機械化研究室 [連絡先]0877-62-0800 [部会名]作業技術 [専門]機械 [対象]果樹類 [分類]普及
[背景・ねらい]
全国のカンキツ園面積のうち、傾斜が
15
度以上の急傾斜地は全体の半分近くを占める。そこでは、密植栽培が多くしかも樹列間の高低差が大きいため、スピードスプレーヤなど従来の防除機が導入できず、労働負担の大きい手散布による防除作業が行われている。そこで、園地の大幅な改造や改植を行わず作業者の負担を軽減して高精度に防除ができる超小型の風筒式防除機を開発した。
[成果の内容・特徴]
開発した風筒式防除機はクローラ走行部を有し、全長
2020mm
、全幅
800mm
、全高
1350mm
、機体質量
470kg
と超小型である。本機は静油圧変速機により無段階に変速でき、レパー操作で旋回内側のクローラを逆回転させてその場で旋回できる。防除部は、軸流送風機を取り付けた吐出口径
400mm
の風筒内にノズルを配置し、動力噴霧機で加圧された薬液を空気流にのせて遠方に集中散布する。風筒は、進行方向に対して左
135
~右
135
度回転でき、自動制御装置により水平軸に対して-
45
~
45
度の範囲を自動的に振ることができる。薬液タンク容量は
200L
、ノズル噴霧量は
17L/min
である(
図
1
、
表1
)。
本機は、傾斜地カンキツ園に造成した幅
80cm
の園内作業道を安定して走行できる。また、最小旋回半径は
0.9m
と極めて小さく袋小路でも容易に進行方向を変えることができる。さらに、防除部が風筒式であるため自然風速
1m/s
以下の条件での薬液の有効到達距離は
15m
と遠方に集中散布することができる(
表2
)。
本機により、斜面畑および階段畑のカンキツ園(樹高
2m
、
50
本
/10a
)の防除作業を、
10a
当り散布量が
400
~
500L
、散布作業時間が
25
~
33
分(散布速度
0.15
~
0.23m/s
)、有効付着率が
90
%以上と楽に精度よく防除作業を行うことができる(
図2
)。
[成果の活用面・留意点]
原傾斜
30
度以下の斜面及び階段畑のカンキツ園に適用できるが、本機を走行させるため園内作業道幅(
80cm
)を樹体
1
列または
2
列おきに設置する必要がある。
[その他]
研究課題名:傾斜地カンキツ作の快適省力化のための小型汎用機械化技術体系の実証
予算区分:営農合理化(地域総合)
研究期間:平成
5
年度(平成
5
~
9
年)
研究担当者:宮崎昌宏、岡崎紘一郎、長崎裕司
発表論文等:
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