麦跡だいずの一工程畝立播種栽培技術
[要約]
西南暖地
の
稲・麦・だいず体系
における
麦跡だいず
を改造ロータリを用いて前作麦わらを鋤込みながら
一工程
で
畝立播種
する。播種作業が迅速・簡単にできるとともに、播種後の降雨による滞水被害もなく、初期生育が安定する。
四国農業試験場・企画連絡室・総合研究チーム [連絡先]0877-62-0800 [部会名]水田農業技術・作物生産 [専門]栽培 [対象]だいず [分類]普及
[背景・ねらい]
西南暖地の水田における稲・麦・たいず体系確立のため、麦跡大豆の安定・省力栽培技術を開発する。当地域のだいず播種期は梅雨期と重なり、作業可能日数が少なく、年により播種不能や播種期の大幅遅延を生ずることも多い。また、適期に播種できた場合でも播種後の多雨のため著しい生育障害を生ずることもある。そこで、短時日のうちに播種作業ができ、かつ出芽後の多雨・滞水などによる障害を防止できるたいず栽培技術が必要である。
[成果の内容・特徴]
麦跡だいずを一工程で耕うん・畝立しながら播種するので、作業が迅速・簡単にできる(
表1
)。また、播種後の降雨による滞水被害が回避でき、初期生育が安定する。
用いるロータリは、市販のものを簡単に改造し、培土板と播種機を装着したもので(
図1
)、機械コストも高くない(
表2
)。
前作の麦わらは、切断散布されたものを鋤込みながら作業する。わらの量が多いと畝に高低を生じ欠株率がやや増加し、初期生育も抑制されるが収量への影響は少ない(
表4
)。
畝巾は70㎝とし、畝の高さは10~15cm程度とする(
図1
)。
肥料の施用は播種時とする(
表3
)。なお、施肥部は必要に応じ播種機に着脱する。
除草剤は、土壌処理剤を播種後に液剤で散布する(粒剤は均一性が劣る)。
中耕培土は本葉4~5枚の頃に1回行う。
これ以降の管理は通常のだいず栽培に準じて行う。
[成果の活用面・留意点]
畝は、高すぎるとあとの培土作業がしにくくなり、低すぎると排水効果が劣るので両方を勘案して調節する。なお、平畝播きに比べ培土量が少なくなるので倒伏しやすい品種には不向きである。また、多雨時に畝間に滞水しないよう落水口との連結をよくする。
麦わら量が多い場合(約600kg/10a以上)には、播種作業時にロータリカバー内にわらがつまることがあるので注意する(この時ロータリを上げて排出)。また、施肥量も窒素の有機化に対応するためわら量に応じて多めに施用する。
[その他]
研究課題名:温暖地中山間水田営農における輪作技術体系の確立
予算区分:「高品質輪作」
研究期間:平成5年度(平成3~8年)
研究担当者:上村幸正、宮崎昌宏、吉永悟志、恒川磯雄、香西修治、松島貴則
発表論文等:「麦跡だいずの一工程畝立播種栽培法」日本作物学会四国支部紀事30号(1993)
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