青果物予冷の効果と評価

[要約]
共同予冷施設の普及により野菜産地では作業労働の軽減や輸送・在荷中の腐敗ロスの減少等に効果を示し、現在では予冷青果物が一般商品となっている。また、地場流通におけるホウレンソウにおいては、予冷しながら青果物の蘇生を行う農家での予冷処理技術鮮度保持の重要なポイントとなっている。共同予冷施設においてもさらに一歩進んだ鮮度保持向上の技術が求められている。
徳島県立農業試験場・経営科
[連絡先]088-674-1660
[部会名]営農
[専門]経営
[対象]野菜類
[分類]指導

[背景・ねらい]

青果物予冷は、その技術的進歩とともに急速に普及し、今日では青果物流通における基本的方式として定着したとさえいえる状況にある。そこでこうした鮮度保持技術によりもたらされた影響と実態を明らかにし、これらの効果の解明とその評価を行った。

[成果の内容・特徴]
  1. 共同の予冷施設の普及により各産地においては、新規作物の導入や作期拡大による生産量が増大する(表1)とともに、農協共販の集荷率の向上や輸送・在荷中の腐敗ロスを減少させ、品質低下による販売不適品の発生が少なくなるという効果がみられた。また、導入初期においては、常温品との差別化が図られ高価格を形成していたが、近年においては予冷青果物が一般商品となり、むしろ予冷品でない時のデメリットの方が大きくなっている。
  2. 軟弱野菜の農家においては1~3坪程度の予冷庫の保有が進み、出荷調整における作業労働の軽減や収穫可能時間め拡大に効果を示すとともに、鮮度の蘇生にも効果を示していた。特に、ホウレンソウでは収穫時の天候やしおれ具合の程度により、予冷前処理の冷水への浸け方や予冷庫内の置き方などに工夫が施され、鮮度の蘇生技術の習熟が必須となっていた。出荷体系は出荷前日に収穫・選別を行い予冷蘇生後、早朝に箱詰し、セリ前に出荷を行っている(図1)。この結果、市場の価格形成では、予冷庫による蘇生技術が付加価値をつけることにより、同じ予冷品である共同出荷された品よりもさらに差別化が図られ、相対的に高価格を形成していた。このように予冷品が一般商品となりつつも地場流通の特定品目においては、予冷処理技術の違いが鮮度の違いとなり、価格形成に影響をもたらしていた。
  3. 共同の予冷施設においては、予冷集荷時刻の制限(表2)や出荷量増大時における予冷待ち時間及び検査待ち時間など、青果物が常温環境にさらされる時間も少ないとはいえない(図2)。また、冬期の低温期においては、必ずしも予冷品と非予冷品では品質や価格にほとんど差がみられない場合も存在した。今後こうした管理運営問題に適切に対処するとともに、予冷処理そのものについても、先の予冷庫の利用でみられたような工夫をこらた利用技術及び品目ごとの包装・荷姿のあり方や鮮度保持資材の活用など、かつ効果的な予冷技術が要求されている。
[成果の活用面・留意点]
  1. 共同の予冷施設の運営及び利用の参考になる。

 [その他]
 
研究課題名:予冷施設利用による青果物の経済効果と評価
予算区分   :県単プロジェクト
研究期間   :平成6年度(平成2~6年度)
研究担当者:河村智嗣、岩花量盛
発表論文等:なし
 
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