旬別農業労働力過不足判定手法め適用

[要約]
コーホート・シェアトレンド法による予測人口と作物旬別労働時間を組み合わせた農業労働力過不足判定手法を用いると、市町村単位に将来の農業労働力の不足の程度(量・時期)を容易に把握することが可能である。また、地域の実状に合った技術係数や品目構成、さらには農業労働力を入力することにより、より厳密に把握することができる。
香川県農業試験場・経営情報担当
[連絡先]0878-89-1121
[部会名]営農
[専門]経済構造
[対象]
[分類]行政

[背景・ねらい]

農業労働力の脆弱化という状況を踏まえて、地域の実状に合った生産と担い手対策を推進するため、市町村別農業労働力の過不足の的確な把握が必要であり、そのための手順や手法の解明が必要である。

[成果の内容・特徴]
  1. 供給量としての農業労働力の算出はコーホート・シェアトレンド法で行い、Ⅰ農業就業人口、Ⅱ農業就業人口に兼業が主の農業従事者数の1/2を加えた数、Ⅲ農業従事者数の3段階を設定する。(表2
  2. 農業労働力の需要量の算出は品目毎の作付け面積に10a当たり旬別労働時間を乗じ、その総和より、各市町別の旬別必要労働時間として把握した。なお取り扱う品目は作付け面積の多い順に、市町の総作付け面積の90%以上がカバーされるものまでを対象とする(表1)。
  3. 取り扱う農業労働力はア、農家集落段階において直接的な生産にかかわっているとみなされる労働力をその範囲とし、イ、推計に当たっての基本となる地域の単位を市町村単位とし、 ウ、供給量・需要量の算出は、農業試験場で設定した労働可能日数・技術係数(67品目80作型)をもとに試算する。
  4. 旬別農業労働力過不足判定は当農試作成の過不足判定表(表2)を用い、独自に設置した前提条件(A~Dランク:表2注参照)にもとづきおこなう。
  5. 事例として、K町の現状(平成2年)並びに目標年次(平成7年、12年)における農業労働力過不足判定を行うと、平成2年、7年では、Ⅰのみの供給レベルで不足が生じているが、Ⅱの供給レベルでは不足を生じていないことからBランク付けされるが、平成12年には、Ⅱの供給レベルでは不足は生じているが、Ⅲの供給レベルでは不足が生じないことからCランク付けされる(表2)。なお香川県の市町村別農業労働力過不足のトレンドは表3のとおりである。
[成果の活用面・留意点]
  1. 作成された過不足判定表は、農業労働力の絶対値そのものを把握しようとするものではなく、不足するであろう激しさの度合いないし、そのトレンドの地域間での違いを推定するものである。
  2. 過不足判定表は、市販ソフトlotus1-2-3の表計算式で作成しており、品種や作型等、よりこまかな技術係数を現場の担当者が入力することにより、労働力の過不足がさらに正確に把握でき、労働力確保対策の検討資料として十分に活用できると思われる。

 [その他]
 
研究課題名:集落営農確立のためのマニュアル策定
予算区分  :県単
研究期間  :平成6年(平成5~7年)
研究担当者:松浦 寿、河田光男、西村 恵
発表論文等:なし

 
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