スプレーカーネーションにおける高品質基準の明確化

[要約]
スプレーカーネーション2L秀品企画においては、花持ちと花梗長及び着花数が基本的に品質を規定しており、価格差が発生する主要因となっている。この中で、花持ちと花梗長は長い方が有利であるが、着花数は最低5輪という下限をクリアしていれば、2L秀品として十分市場で評価される。
愛媛県立農業試験場 経営流通室
[連絡先]0899-93-2020
[部会名]営農
[専門]経営
[対象]花き類
[分類]指導

[背景・ねらい]

現在、花き産地では流通・消費動向に即した高品質生産を行い、ブランドの確立によって商品の差別化を図ることが基本的な課題となっている。
そこで、4月27日の松山市場において、100円/本(A農家出荷)と80円/本(B農家出荷)という価格差の発生した2L秀品のスプレーカーネーション(品種:スカーレットクイーン)について、価格差発生要因を究明することにより、スプレーカーネーションにおける高品質基準(高品質生産物として評価されるために不可欠となる品質の諸特性)を明確化した。

[成果の内容・特徴]
  1. 同一品目において価格差が発生する要因はア)基本品質(切り花形態や花持ち等)、イ)付加特性(販売規模や販売の継続性等)、ウ)市場、エ)販売時期、オ)品種、カ)等階級である。そのため、 ウ)~カ)の要因を同一条件にすれば、価格差の発生要因は、ア)基本品質とイ)付加特性に限定される。
  2. 付加特性は、販売の規模や継続性など7項目に分類できるが、A、B農家間に差はなく、同レベルであると考えられるため、本事例において、付加特性は卸売価格差にあまり大きな影響を及ぼしていない。従って、価格差は基本品質の差であると考えられる。
  3. 基本品質の17項目の内、節間長、切り花重、花梗長、茎径、着花数、花色、折れの難易、花持ち、開花程度に両商品の間で品質差が認められる。(表1
  4. 数量化Ⅱ類では、花持ち、花梗長、花色、着花数、切り花重が重要であり、AHP分析では、花持ち、花梗長、着花数、開花程度が重要であると解釈される。(表2図1
  5. 以上の結果、スプレーカーネーションの2L秀品規格における高品質基準は、花持ちと花梗長及び着花数であり、その中で、花持ちと花梗長は長い方が有利であるが、着花数については、最低5輪という下限をクリアしていれば、2L秀品として問題はない。
[成果の活用面・留意点]
  1. 市場、販売時期、品種、等階級について、本試験の設定項目以外は確認していないため、留意する必要がある。

 [その他]
 
研究課題名:切り花類の価格形成要因の解明と出荷管理改善モデルの策定研究
予算区分  :県単
研究期間  :平成6年度(平成6~8年)
研究担当者:山本和博
発表論文等:切り花の品質評価と生産者の対応,日本農業経営学会誌,第32巻4号,1995.
 
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