組立テント式ハウス型ニンニク乾燥機と利用法

[要約]
本機は、組立テント式ハウスと静置式乾燥機、温風器等を組み合わせた燃料節約型乾燥機である。熱風温度は32→40℃の昇降方式とし、ハウス内湿度は60%で10日間乾燥すると、鱗球水分75%のニンニクは60%程度に乾燥し、色調も良好である。
香川県農業試験場・農業機械担当
[連絡先]0878-89-1121
[部会名]作業技術
[専門]機械
[対象]根菜類
[分類]普及

[背景・ねらい]

温暖地西部における早生種のニンニク栽培では収穫が5月下旬から6月上旬となり、梅雨に遭遇しやすい。このため、収穫後は人工乾燥によって品質の劣化防止と貯蔵性を確保する必要がある。生産農家の多くは増し枠を付けた稲麦用の静置式乾燥機を使っているが、熱風温度の頻繁な管理が必要であること、灯油バーナの不完全燃焼や熱風の吹抜けによる乾燥むらの発生に注意する必要があること、乾燥期間が10~15日と長く、灯油の消費量が多いことなどが問題となっている。
そこで、簡易な組立式テントハウスを利用したニンニク乾燥機とその利用法を開発した。

[成果の内容・特徴]
  1. 試作した簡易組立式テントハウスは床面積9.48㎡(3坪用)で、周囲を覆う帆布は厚さ0.28㎜の透明帆布である。支柱への固定は紐止方式で、4隅と間口部にはファスナを備えており、ニンニクの搬出入時には帆布を巻き上げる仕組みになっている(図1)。
  2. 乾燥機の構成は静置式乾燥機枠(1坪)、キャスタ付きコンテナ(容量0.32m3、6個)、 温風機(熱出力5,040kJ/h)、排気ファン(径400㎜)、補助圧送ファン(径380㎜)、熱風温度およびハウス内湿度制御装置からなる(図1)。
  3. ニンニクの張込みはクリンプ網製のキャスタ付きコンテナで行う。1個のコンテナに120kg(0.5a分)のニンニクを張り込むことができ、運搬が容易で搬出入が楽である。また、コンテナ毎に張り込み時刻が異なる場合の区分乾燥にも有効である(図1)。
  4. 熱風温度の制御は、静置式乾燥機枠内下部温度の上・下限値を設定すると、熱風温度が下限値未満になると温風機が作動し、下限値+0.5℃まで運乾して停止する。また、上限値を超えると排気ファンが作動し、トラップから外気を流入する。同様にハウス内湿度はハウス内上部の湿度を感知し、湿度の設定値を超えた場合に排気ファンが作動する(図12)。
  5. 熱風温度の下限値は32→40℃の昇温方式とし、上限値を下限値+2~5℃、設定湿度60%、10日間の連続乾燥を行えば、初期鱗球水分75%のニンニクが60%程度に乾減する。この間の平均乾減率は0.06%/h、時間当り電力使用量は0.59kWh、灯油消費量当りのニンニク水分除去量でみた燃料効率は2.73kg/KGとなり、天候にもよるが室内乾燥の4倍程度となる(表1)。
  6. 乾燥後のニンニク表皮と盤茎部の色調は良好で、燃料の不完全燃焼による灯油臭やカーボンの付着は見られない。
[成果の活用面・留意点]
  1. 本機の実用化にあたっては栽培規模に適合するスケールアップが必要である。また、太陽光の直射による鱗球表皮色の劣化防止のため、張り込んだニンニクは黒寒冷紗で覆い、鱗球水分の乾減は数個のモニター球の質量乾減で知る。乾燥後、出荷時の調整に時間を要する場合は逐次、追加乾燥し、水分戻りによる品質劣化を防ぐ。

 [その他]
 
研究課題名:ニンニク乾燥機の開発
予算区分   :中山間農業機械整備促進事業(国庫助成)
研究期間   :平成6年度(平成4~6年)
研究担当者:山浦浩二、西村融典
発表論文等:収穫期におけるニンニクの鱗球水分特性と熱風乾燥条件が乾燥速度およ び鱗球色調に及ぼす影響(1995)香川農試研究報告№46~投稿中~
 
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