イミダクロプリド水和剤の種子コートによる水稲湛水直播栽培でのヒメトビウンカの防除法

[要約]
水稲種子にイミダクロプリド10%水和剤を種子重量比約6%で、過酸化カルシウムとともに種子コートすることによって、湛水直播後の本田でのヒメトビウンカを長期間にわたって防除することができる。
香川県農業試験場 病害虫担当 農業機械担当
[連絡先]0878-89-1121
[部会名]生産環境(病害虫)
[専門]作物虫害
[対象]稲類
[分類]研究

[背景・ねらい]

水稲の省力栽培技術として、湛水直播栽培が実用化されつつあるが、香川県などの麦栽培地帯では、ムギ圃場からのヒメトビウンカの飛び込みによって縞葉枯病の被害が大きな問題となっている。そこで、省力的で効率的な湛水直播栽培でのヒメトビウンカの防除法を開発する。

[成果の内容・特徴]
  1. コート方法
    種子コートに用いる過酸化カルシウムを3等分し、そのひとつにコートする種子の重量比で約6%のイミダクロプリド水和剤を混入する。3等分したうちの過酸化カルシウムのみを種子にコートし、そのうえにイミダクロプリド水和剤を混入したものをコートし、再び過酸化カルシウムのみをコートして3層構造とする。
  2. 上記コートを行った種子より出芽した幼苗は、室内試験でヒメトビウンカを100%死亡させることができる(表1)。
  3. 本コート種子を処理翌日に播種しても、シャーレ、圃場では過酸化カルシウムのみをコートした種子と比較して、発芽率に有意差は見られない(表2)。
  4. 上記方法でコートした種子を代かきと同時に半練り状態で無覆土播種した場合、圃場でのヒメトビウンカ密度を播種後約80日に亘って無処理に対する密度指数で10以下に抑える(表3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 本使用法でのイミダクロプリド10%水和剤の登録がされれば、ヒメトビウンカによる縞葉枯病の発生が多い地域での湛水直播栽培に適応できる。
  2. 他のウンカ・ヨコパイ類にも効果があると考えられる。
  3. コート時の催芽程度と薬害発生との関係、コート後の貯蔵期間と薬害、薬効との関係および異なった播種法での防除効果については未検討である。

 [その他]
 
研究課題名:水稲の湛水直播栽培におけるヒメトビウンカの防除
予算区分  :県単
研究期間  :平成6年度(平成3~5年)
研究担当者:渡邊丈夫、山浦浩二
発表論文等:香川県農業試験場研究報告、45号、1995
 
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