マルチ増幅PCR法によるキュウリの3種potyvirus病の同時診断技術

[要約]
3種 potyvirus(カボチャモザイクウイルスズッキーニ黄斑モザイクウイルスパパイヤ輪点ウイルスーW系統)を1回のRT-PCRおよび1レーンでの電気泳動で同時に検出できるマルチ増幅PCR(MA-PCR)法を確立した。
香川県農業試験場 病害虫担当 
[連絡先]0878-89-1121
[部会名]生産環境(病害虫)
[専門]作物病害
[対象]果菜類
[分類]研究

[背景・ねらい]

キュウリのモザイク病株にはキュウリモザイクウイルス(CMV)、カボチャモザイクウイルス(WMV-2)、ズッキーニ黄斑モザイクウイルス(ZYMV)およびパパイヤ輪点ウイルス-W系統(PRSV-W)が2種あるいは3種で混合感染していることが多い。そこでRT-PCRによるキュウリのウイルス診断の実用性を高めるため、1回のRT-PCRおよび1レーンでの電気泳動でこれらを同時に検出する手法を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. プライマーのデザイン:(図1表1)  
      ウイルス   センスプライマー   アンチセンスプライマー  増幅DNA断片
     CMV    CMV1      CBV2     655dp
     WMV-2    WMV1      WMV2     250dp
         WMV2      WMV3     225dp
     ZYMV    ZYMV1      ZYMV2     210dp
         ZYMV1      ZYMV3     452dp
     PRSV-W    PRSV1      PRSV2     186dp

                                                                                                                      

  2. 特異性:ELISA法では血清関係の近いZYMVとWMV-2ではお互いの血清で反応して区別が非常に難しい。本検出法は3種のpotyvirusを特異的に検出できる。
  3. 検出感度:本検出法はELISA法と比べて同等あるいはそれ以上の検出感度を示す。
  4. 同時検出:血清学的手法、核酸プローブによるハイブリダイデーション法や従来のRT-PCR法ではそれぞれのウイルスごとに同様の操作を行う必要があったが、本検出法は1度の操作で3種のpotyvirusを検出できる。
[成果の活用面・留意点]
  1. CMVを含めた4種ウイルスの同時検出については、ZYMVあるいはWMV-2のバンドが薄くなるので、さらに検討を要する。

 [その他]
 
研究課題名:RT-PCRを利用したウイルス診断に関する試験
予算区分  :県単
研究期間  :平成6年度(5~8年)
研究担当者:楠幹生、寺見文宏(野菜・茶試)、笹谷孝英(四国農試)、十河和博
発表論文等:未発表
 
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