基盤整備水田の緑肥や麦藁すき込みによる土壌管理法

[要約]
花崗岩を母材とする二毛作地帯では、基盤整備後、水田裏作にレンゲを長期作付けすると、約3割減肥が可能であり、水稲収量は年次変動が少ない。また、イタリアンライグラスの作付けや麦藁全量すき込みは、地力を向上させ、水稲収量も向上させる。
愛媛県立農業試験場・生産環境室
[連絡先]089-993-2020
[部会名]生産環境(土壌肥料)
[専門]土壌
[対象]稲類
[分類]指導

[背景・ねらい]

高縄半島を囲む水田地帯は、花崗岩を母材とする土壌が多いため、基盤整備により切り土をしたり下層土が混入した場合には地力が低下し、生育むらが見られたり、収量が不安定になることが多い。そこで、この地方は温暖な二毛作地帯であることから、水田裏作に栽培されている裸麦の麦藁全量すき込みを雑続したり、レンゲ(全量すき込み)やイタリアンライグラス(茎葉持ち出し)を長期作付けするなど、裏作に冬期作物を栽培し、系内有機物を有効利用することにより、地力の向上と水稲収量の安定化を目指す。

[成果の内容・特徴]
  1. 基盤整備後、毎年冬期に、レンゲ、イタリアンライダラスの作付けや麦藁全量すき込みを行うことにより、土壌中の全炭素、全窒素は増加し地力が向上する。一方、麦藁の全量持ち出しや冬作休閑では、全炭素や全窒素が増加せず地力の向上は見られない(図1)。
  2. 試験を開始して7~10年目におけるコガネマサリの平均収量は、地力の高いイタリアンライグラス作や麦藁すき込みで高くなる。また、収量の年次変動は、レンゲ作で小さく、地力の低い冬作休閑で大きくなる(表1)。
  3. イタリアンライグラスの作付けでは、施肥量が少ない場合減収が大きくなるので、慣行施肥量の約2割増とする。また、レンゲ作では過繁茂防止のため、約3割減肥とする(表2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 湿田では有機物施用に伴う還元障書が発生しやすいので、水管理を適正に行う。
  2. 冬作物を栽培しない場合は、レンゲを導入することにより、施肥量が削減され、また生産の安定と景観保全や環境保全がはかられる。

 [その他]
 
研究課題名:冬季土壌管理体型試験
予算区分  :県単
研究期間  :平成6年度(昭和60年~平成6年)
研究担当者:大森誉紀、西村博和
発表論文等:なし
 
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