西南暖地の水稲普通期栽培における苗箱施肥を利用した省力施肥

[要約]
西南暖地普通期栽培の育苗時に、被覆尿素肥料(LPSS)を育苗箱一箱あたり窒素で520g施用(苗箱施肥)することにより、育苗中及び本田における施肥作業が省略でき、慣行栽培と同程度の収量が得られる。 
愛媛県農業試験場 生産環境室
[連絡先]0899-93-2020
[部会名]生産環境(土壌肥料)
[専門]肥料
[対象]稲類
[分類]指導

[背景・ねらい]

水稲栽培では、省力かつ安定多収の要望が強く、緩効性肥料の利用が増加しており、基肥重点施肥による穂肥の省略等も試みられている。そこで、近年シグモイド型の溶出特性を持つ被覆尿素肥料の開発が進んでいることから、この肥料の特性を生かした省力施肥法としての育苗箱への全量施肥法について、県内の普通期栽培における実用性を検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 被覆尿素肥料を用いて、本田へ施肥する全量相当分を育苗箱へ施用(一箱当たり施肥窒素量520g、10a当たり20箱使用)する(図1)ことで、育苗中及び本田における施肥作業が省略できる。
  2. 育苗中に窒素の溶脱があるものの、本田における施肥利用率が高まる(表1)。
  3. 有効茎歩合は高く、慣行栽培とはぼ同等の収量が得られる(表1図2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 一箱当たりの施肥量は、10a当たりの施肥量と使用苗箱数をもとに算出する。
  2. りん酸や加里の肥沃度が低い圃場では、本田生育までに施肥しておく。
  3. ルートマットの形成は慣行栽培に比べ劣る(表1)ため、移植スピードを落とし欠株や浮き苗の発生を抑える。

 [その他]
 
研究課題名:緩効性肥料の有効利用試験
予算区分  :県単
研究期間  :平成6年度
研究担当者:大森誉紀
発表論文等:なし
 
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