愛媛県におけるイネばか苗病の薬剤耐性菌出現状況

[要約]
愛媛県下におけるイネばか苗病ベノミル剤に対する耐菌性の出現状況は、1992年 19.4%、1993年 72.3%、1994年 90.4%であり、高度耐性菌の割合も年々増加している。
一方、トリフルミゾール剤に対する低感受性菌の出現状況に大きな変化は認められなかった。
愛媛県農業試験場 生産環境室
[連絡先]0899-93-2020
[部会名]生産環境(病害虫)
[専門]作物病害
[対象]稲類
[分類]指導

[背景・ねらい]

イネばか苗病は、近年薬剤耐性菌が全国的に出現し、本病の発生原因の一つとして問題となっている。そこで、愛媛県下における耐性菌の有無を明らかにするため、ベノミル剤およびトリフルミゾール剤に対する感受性検定を実施した。

[成果の内容・特徴]
  1. ベノミル剤に対する耐性菌発生状況
    1992~1994年の3ケ年、県下各地から発病苗および発病茎を収集し病原性のみられた238菌株について感受性検定を実施した。その結果、耐性菌(100ppm以上で生育した菌株)の出現率は、1992年 19.4%、1993年 72.3%、1994年 90.4%であり、年々増加している(表1)。
  2. ベノミル剤に対する感受性別菌株出現状況
    MIC法(最小生育阻止温度検定法)により、ベノミル剤に対する感受性を検定した結果、全県的に高度耐性菌(MIC 1000ppm以上)の割合が高まってきている(図1)。
  3. トリフルミゾール剤に対する低感受性菌発生状況
    低感受性菌(10ppm以上で生育した薗株)と判定された菌株の出現率は、全採取菌株の1.8%であり、感受性の年次変化は認められなかった(表1)。
    また、薬剤感受性頻度では、MIC10ppmを示す菌株の割合が高くなっている(図2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. ベノミル剤に対する耐性が高まっているため、使用に当たっては十分注意する必要がある。

 [その他]
 
研究課題名:愛媛県下におけるイネばか苗病菌の薬剤耐性検定試験
予算区分  :国補
研究期間  :平成6年度(平成4~6年)
研究担当者:畑中満政、芝田英明
発表論文等:なし
 
目次へ戻る