シメジ廃菌床の早期堆肥化とその利用
[要約]
シメジ廃菌床は、堆肥化すれば、有機質資材としての品質が向上する。堆肥化には、
水分約65%
に調整後、堆積2週間後を最初に計3回くらい切り返し、
70日以上
堆積する方法をとる。
高知県農業技術センター 生産環境部 土壌肥料科 [連絡先]0888-63-4915 [部会名]生産環境(土壌肥料) [専門]土壌 [対象] [分類]普及
[背景・ねらい]
近本県西部に位置する佐賀町ではシメジ、エノキダケ等の瓶培養におけるキノコ廃菌床が年間約2万m
3
(約8000t)排出されており(H4調べ)、今後もさらに増加が見込まれる。
同町ではそのはとんどが地区周辺の山林に廃棄されており、悪臭等の発生が問題となっている。そこで、周辺環境の汚染防止及び有機物資源の有効利用の見地から、特に地区で多量に排出されているシメジ廃菌床について早期堆肥化の検討を行った。
[成果の内容・特徴]
廃菌床の特性
シメジ廃菌床は、主原料であるスギオガクズに米ぬかや脱脂大豆粉等を添加混合後、蒸煮殺菌し、キノコ培養を行った後の残さである。そのため、C/N比はスギオガクズ(487)に比べかなり低下(87)している。また、野菜に対する生育阻害は認められない(
表1
)。
堆肥化方法
水分を約65%に調整して堆積発酵させる。堆積直後は急激に60℃近い温度に達し、その後低下を始めれば切り返しを行う(
図1
)。
使用までの堆積日数
70日以上堆積させると、切り返しても範著な温度の上昇が認められなくなる(
図1
)。
堆肥化物の特性
施用直後の窒素の取り込みは市販広葉樹パーク堆肥より少なく、無機化は豚プン・オガクズ堆肥に比べて少ない(現物1t当たり1kg)(
表2
)。また、塩素含有量は一般の豚糞・オガクズ堆肥や牛糞・オガクズ堆肥に比べて少ない(
表3
)。
[成果の活用面・留意点]
尿素等の窒素源、微生物資材等の発酵促進材の添加は不要である。切り返し時に乾燥していれば水分を添加する。品温低下後は1カ月に1回程度切り返しを行う。本法により作成される堆肥はオガクズ堆肥の一種と考えてよく、使用方法はこれに準ずる。
シメジ廃菌床の有効利用により地域環境の保全が図られるとともに有機質資材として農地の土づくりに寄与できる。
[その他]
研究課題名:未利用有機物資源の早期堆肥化
予井区分 :県単
研究期間 :平成6年度(平成5~6年)
研究担当者:岡林実恵、井澤久美
発表論文等:高知の農林業新技術14号掲載予定
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