ミナミキイロアザミウマの薬剤感受性実態と薬剤の効率的使用

[要約]
主要薬剤に対するミナミキイロアザミウマ感受性は、大なり小なり低下しており、現在安定した殺虫効果を示すのはイミダプリド剤及び協力作用のあるシペルメトリンとスルプロホスまたはホサロンとの混用である。当面これらの薬剤を組み込んだ体系防除で対応できる。
高知県農業技術センター 生産環境部 昆虫科
[連絡先]0888-63-4915
[部会名]生産環境
[専門]作物虫害
[対象]果菜類
[分類]指導

[背景・ねらい]

最近、ミナミキイロアザミウマに対する薬剤の効力不足が顕在化し始め、生産現場から新たな防除対策の確立が強く要望されていた。そこで、従来の体系防除の中で中心的な役割を果たしてきた薬剤に対する感受性実態を明らかにするとともに薬剤の効率的な使用法を検討し、体系防除の見直しを行う。

[成果の内容・特徴]
  1. 1984年当時に比べると、スルプロホスに対する感受性は約30~150倍、DMTPに対する感受性は3~8倍低下している。また、個体群間差はあるもののマラソン・BPMC、シペルメトリンに対する感受性低下も認められる(図1)。
  2. カルポスルファン粒剤をキュウリ苗に2g/株施用した場合の葉中濃度は約12ppmである。この濃度における死虫率は約40%と低い(表1)。また、本剤の圃場における効果も低いことから、本剤に対する感受性は明らかに低下している。
  3. 現在最も安定した防除効果を期待できる登録薬剤はイミダクロブリド剤のみであるが、一作期の総使用回数が3回であり、本剤のみでの対応は困難である。しかし、協力作用を示すシペルメトリンとスルプロホスあるいはホサロンとの混合散布を組み合わすことで薬剤の効率的な使用ができる(表2)。
  4. 物理的防除法を組み込んだ従来の体系防除を基本とし、薬剤防除を以下の方法で行う。定植時にイミダクロプリド粒剤を処理し、栽培初期から中期にかけての低密度時にシベルメトリンとスルプロホスあるいはホサロンの混用散布、増穂の激しくなる栽培後期にイミダクロブリド水和剤の散布を行う。
[成果の活用面・留意点]
  1. 薬剤抵抗性が発達しやすいので、必ず換気窓への寒冷紗被覆、畦へのシルバーポリフィルムによるマルチング等の物理的防除法を体系防除の中に組み入れ、薬剤使用を極力少なくするとともに同一薬剤の連用を避ける。
    なお、作物によって薬剤の適用登録が異なるので、使用に当たっては注意する。

 [その他]
 
研究課題名:野菜類におけるミナミキイロアザミウマの薬剤抵抗性対策
予算区分  :県単
研究期間  :平成6年度(平成3年~5年)
研究担当者:山下 泉
発表論文等:なし
 
目次へ戻る