セル成型苗による黒大豆「丹波黒」の省力的移植栽培技術

[要約]
黒大豆丹波黒」のセル成型苗は、セルトレイと各種育苗培土を使って約10日間で育成でき、従来の苗床播種した苗に比べて移植作業が簡便で、活着もよく、省力的な移植栽培が可能である。
香川県農業試験場 作物担当
[連絡先]0878-89-1121
[部会名]水田・畑作(夏畑作物)
[専門]栽培
[対象]豆類
[分類]普及

[背景・ねらい]
黒大豆の移植栽培は、鳥害の回避、高水分土壌での作業性、播種量の節約等の面で直播栽培に比べて優れている。しかし、慣行では苗床へ播種し、本田に植えかえる方法であり、これには多くの労力を要する。そこで、移植作業の労力軽減及び簡便化を図るため、セル成型苗による移植栽培について検討した。
[成果の内容・特徴]
  1. ピートモス系培土、水田土、粒状培土等の育苗培土と128穴セルトレイを使って黒大豆のセル成型苗を育成することができる。ピートモス系育苗培土では、8割以上の苗立率であり、他の培地でも 灌水が適切であれば、8割程度の苗立率となる(表1)。育苗日数は約10日間で初生葉が展開しきった頃が移植適期である(写真1)。
  2. セル成型苗は根鉢が形成され、軽量であるため、苗床播種による慣行苗に比べて移植作業がきわめて簡便に行うことができる。また、移植による断根がなく、移植後のしおれが少ない。
  3. セル成型苗の移植後の生育は、慣行移植及び同時期の直播栽培と同じであり、収量もほぼ同じである(表2)。また、育苗時に初生葉が褐変・枯死する初生葉障害苗も移植後の生育は、健全苗と変わりなく、収量も同等である(表3
[成果の活用面・留意点]
  1. 育苗時の灌水の仕方で苗立率が変動しやすいので、過湿や乾操を避け、培土が適湿を保つように適切な灌水の量や回数とする(ピートモス系培土の場合、晴天日で1日2回程度を目安とし、粒状培土ではやや多めの潅水量とする)。
  2. 育苗培土の種類等の育苗条件によって初生薬の褐変・枯死が見られることがあるが、移植後の生育には問題ないので健全苗と同様に移植してよい。

 [その他]
 
研究課題名:果大豆安定多収栽培の確立
予算区分  :県単
研究期間  :平成6年(平5~6年)
研究担当者:藤田 究、三木 洋、井口 工、森 芳史、片山哲
発表論文等:なし
 
目次へ戻る