愛媛県における小麦「チクゴイズミ」の特性と適応牲

[要約]
チクゴイズミは出穂期及び成熟期がオマセコムギ並みの中生品種である。稈長は同程度で、穂長はやや長い。子実重はオマセコムギよりやや多収で、千粒重が大きくやや大粒である。粉質粒で外観品質がやや優れ、製粉歩留りが高い。アミログラム特性は、最高粘度が高く、ブレークダウンが大きい。
愛媛県農業試験場・栽培育種室
 [連絡先]0899-93-2020
 [部会名]水田・畑作
 [専門]育種
 [対象]麦類
 [分類]普及

[背景・ねらい]

昭和49年に小麦奨励品種に採用されたオマセコムギは、本県の小麦作付面積の98%以上(平成5年産)を占めており、中生品種で収量も安定している。しかし、近年収量性のみならず加工適性に優れた小麦品種が育成されており、オマセコムギに代わる新品種の選定が望まれている。
「チクゴイズミ」は九州農試において「関東107号」と「アサカゼコムギ」の交配から育成された品種であり、本県では平成2年から農業試験場で基本調査を行い、さらに平成4年から現地調査に供試して県内での適応性を検討した。その結果、基本調査及び現地調査の成績が良好であったことから、平成6年度に本県の小麦新奨励品種に採用する。  

[成果の内容・特徴]
  1. チクゴイズミはオマセコムギと比較して、出穂期は同程度であるが、成熟期は1日早い中生品種である。稈長は同程度で、穂長は約1cm長い。子実重は対オマセコムギ103%とやや多く、千粒重は約2g大きくやや大粒で、外観品質はやや優れる。穂発芽性は難で穂発芽率はオマセコムギより低い(表1)。
  2. 県内9ヶ所における栽培結果でも、チクゴイズミはオマセコムギと比較して出穂期は同程度で成熟期は1日早い。稈長は同程度で穂長は約1cm長い。耐倒伏性はオマセコムギより強く、子実重は丹原町及び宇和町を除いていずれの地域でも多い。千粒重は約1g大きく、外観品質はやや優れる(表2)。
  3. 品質面では、チクゴイズミはオマセコムギと比較して硝子率が低く、粉質粒で製粉歩留りが高い。また、アミログラムの最高粘度が高く、ブレークダウンが大きい(表3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 普及適応地帯は、県内全域の平坦部で排水良好な麦作地帯である。
  2. うどんこ病にやや弱いため、多発地では適期防除を行う。

 [その他]
 
研究課題名:麦類奨励品種決定調査
予算区分  :国補1/2
研究期間  :6年度(平成2年~6年)
研究担当者:岩城篤哉
発表論文等:なし
 
目次へ戻る