施設内で播種育苗したシバポット苗を利用するシバ草地短期造成法

[要約]
ペーパーポット鶏糞ぺレッ卜を混入させた育苗培土を敷き詰めてシバ種子播種し、温度と水管理・追肥を行い、3ケ月間育苗することで移植に適したシバ苗が安定的に得られる。このシバ苗を移植密度4ポット/㎡で移植すると、単年度被度60%以上のシバ草地低コスト軽労働条件で造成できる。
徳島県畜産試験場・飼料科
[連絡先]0866-94-2023
[部会名]畜産
[専門]農地整備
[対象]野草類
[分類]普及

[背景・ねらい]

環境に対して適応範囲が広く、適切な放牧圧を与え続けることにより、半永久的に利用可能なシバ草地への期待・要望が高まっている反面、従来の造成法ではかなりの労力と長い年月を要するという問題点がある。そこで、低コスト・軽労働で単年度での被度60%以上を得ることをねらいとした播種育苗からのシバ草地短期造成法を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. 播種育苗で発芽個体を得るためには十分な潅水(1ml/ポット以上)を続けることが必要である(表1)。
  2. 育苗培土に鶏糞ペレットを混入(0.5g/ポット程度)し、シバ苗が3cm以上に生長した時点での化成肥料の追肥(0.05g/ポット程度)により地上部・地下部とも充実したシバ苗の安定生産が可能である(表2表3)。
  3. 移植前の灌水制限は苗を急激に痛めないように移植1週間前から徐々に灌水量を減らして2日前には完全に止め、移植直前に灌水を行ってから移植するのが適当で、シバの定着・広がりに有利である(表2)。
  4. 6月播種ではシバ苗の生長が早いため2ケ月間の育苗で移植が可能になり、3月播種に比べて育苗期間の短縮が図られ、育苗期間中の労力が軽減できる(表3)。
  5. 4ポット/㎡(50cm間隔)の移植密度が単年度の被度60%以上を得る最適移植密度である(図1)。
  6. 育苗資材費と労働費を含めた1ポット当たりの生産コストは約3円となり、移植作業労働費を含めた造成コストは247,000~266,000円/ha(移植密度4ポット/㎡)で、低コスト生産が可能である。
[成果の活用面・留意点]
  1. 従来のシバ草地造成法との比較資料となる。発芽するまでの育苗期間中、気温をできるだけ下げない(10℃以下)温度管理と育苗培土を日中5時間以上乾かせない水管理を行い、発芽後の追肥はシバ苗が枯死しないよう少量ずつ(0.05g/ポット程度)施す必要がある。

 [その他]
 
研究課題名:暖地急傾斜シバ草地の短期造成技術の確立
予算区分  :国補(地域重要)
研究期間  :平成6年度(平成4~6年)
研究担当者:西岡辰雄、白田英樹、篠原 実
発表論文等:①暖地急傾斜シバ草地の短期造成技術の確立(第1報)、徳島畜試研報、34号、1993。
        ②シバポット苗を用いた暖地急傾斜シバ草地の短期造成技術 第3報、日章誌、40巻(別)、1994。
 
目次へ戻る