栄養茎を露地育苗したシバポット苗を利用するシバ草地短期造成法

[要約]
栄養茎露地育苗したシバポット苗を用い、ポット数4本/㎡、施肥(化成肥料 N:P205:K20=15:12:15)5g/ポットで移植すると、1~2年の短期間で被度90%のシバ草地造成することができる。造成にかかるコストは1ha当たり28~33万円である。
愛媛県畜産試験場・経営室・飼料環境班
[連絡先]0894-72-0064
[部会名]畜産
[専門]農地整備
[対象]野草類
[分類]普及

[背景・ねらい]

肉牛生産農家では輸入自由化に対する経営の安定化が必須となってきており、シバ草地を造成することでその解決を図ろうとしているが、従来の栄養茎を直接移植する造成方法では、草地完成までに4~5年と長期間を要することが問題であった。
そこで、栄養茎をある程度までポットで育苗し、被覆速度を速めることでシバ草地の完成までの期間を1~2年に短縮する技術を開発する。

[成果の内容・特徴]
  1. 30日間育苗したシバポット苗の圃場移植後の被度拡大が良好で、特に培土に化成肥料を混合したポットでは、年度内に82%の被度を得ることも可能である。また、ポットサイズは長短いずれも移植後のシバの生長に影響を与えることが少なく、移植時の労力を考慮すると長さ7cm程度の短いポット(直径3cm)が適している(図1)。
  2. 急傾斜地へ移植した場合、移植ポット数4本/㎡、施肥(化成肥料 N:P205:K20=15:12:15)5g/ポットの条件で、1年目の被度が60%、2年目には最高90%に達した(図2)。
  3. ポットの移植は㎡当たりまんべんなく移植するより固める方が被度の拡大は良好で、雑草との競合を避けるため、移植後の放牧は少なくとも2ヶ月以内に開始する必要がある。
  4. 1ポット当たりのコストは、培土資材の混入割合によって8円から11円の範囲となる。また、シバポット苗を利用したシバ草地の造成コストはha当たり28~33万円と、植芝法に比べて割高となるが、造成期間の短縮を考慮するとその有利性が認められる(表1、2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. この育苗法による短期造成技緬を用いて、一般牧草の定着し難い急傾斜地にシバ草地を積極的に造成し、土壌保全を加味した放牧草地の拡大を図る。ただし、育苗ポットの重さが普及上のネックとなるので、軽量化が今後の問題となる。

 [その他]
 
研究課題名:暖地急傾斜シバ草地の短期造成技術の確立
予算区分  :国補(地域重要)
研究期間  :平成6年度(平成4~6年)
研究担当者:福住弘巳、佐竹康明
発表論文等:シバポット苗を用いた暖地急傾斜シバ草地の短期造成技術 第2報、日草誌、第40巻(別),1994。
 
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