採卵候補鶏「エヒメクロス」の実用適性

[要約]
採卵交雑鶏エヒメクロス」は、大すう期に絶食処理を行っても採卵成績に影響を及ぽさず、農家適応性試験でもコマーシャル鶏に劣らない成績を示す。産卵後期の大豆油添加は産卵率を向上させ、メチオニンの添加は卵重を増加させる。
愛媛県養鶏試験場・試験研究班
[連絡先]0898-66-5004
[部会名]畜産
[専門]飼育管理
[対象]家禽類
[分類]指導

[背景・ねらい]

単冠白色レグホーン種とロードアイランドレッド種の交配により、平成元年に強健で産卵性能の優れた採卵用候補鶏を作出した。この鶏種の普及を図るためには、農家の飼育環境と同様の管理下での性能を明らかにする必要がある。
また、産卵後期、特に夏期の産卵能力の低下を防止するため、不足しがちなメチオニンおよびエネルギー源となる大豆油の添加効果についても検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 初産日齢を揃えるための大すう期の絶食処理が「エヒメクロス」のその後の産卵成績に影響することはない(表1)。
  2. 成鶏期のタンパク給与水準を17%に設定しても、18%の飼料と変わらない産卵成績が得られる(表1)。
  3. MおよびL規格卵率は70%以上と良好で、市場性の高い鶏種である(表1)。
  4. メチオニンの添加で卵重は増加するが、飼料の利用性は低下する(表2)。
  5. 夏期のメチオニン添加は、卵重を増加させ有効である。しかし、夏期以降の添加は規格外卵が増加するため適さない。
  6. 大豆油の添加は産卵率および飼料要求率を向上させ、メチオニンの同時添加はその効果を高める(表2)。
  7. ただし、夏期の大豆油添加は、飼料消費量が大きく減少し、産卵率および平均卵重を低下させるために生産性が低くなる。
  8. 農家適応性試験でもコマーシャル鶏と変わらない成績が得られる(表3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 「エヒメクロス」は夏期の高温多湿な環境に適した鶏種である。メチオニン・大豆油の添加は、季節、日齢、強制換羽などでその影響が異なるため、今後の検討が必要である。
    悪癖が多発するので、適期・適格な断嘴を必要とする。また、生産卵の血斑、肉斑の出現率がやや高いことから、改良の余地も認められる。

 [その他]
 
研究課題名:採卵候補鶏の実用通性試験
予算区分  :県単
研究期間  :平成6年度(平成2~6年)
研究担当者:岡 幸宏、浜本恭一、和田雄二
発表論文等:①愛媛鶏試研報、22号、1994。
        ②愛媛鶏試研報、23号、1995。(掲載予定)
 
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