矮化剤の茎葉散布によるヤマモモの高品質生産

[要約]
ヤマモモの開花末期に矮化剤(パクロブトラゾール)300ppm液を茎葉散布すると、摘果効果があって果実肥大が促進される ほか、熟期促進の効果もみられ、収穫時期が早まることから、収益性の向上が図られる。
徳島県果樹試験場・病虫科
[連絡先]08854-2-2545
[部会名]果樹
[専門]栽培・薬剤
[対象]果樹類
[分類]研究

[背景・ねらい]

南四国の特産果樹であるヤマモモは、喬木性で隔年結果が激しく、着果が著しく不安定である。また、表年の着果過多樹では果径が小さくなり、果実が成熟不全に陥ることも稀ではなく、表年には高品質果実が少ないという現象がみられる。このため、高品質安定生産を図るには、低樹高化と摘果や剪定等による着花調節が重要と考えられる。
矮化剤(パクロブトラゾール)のヤマモモ緑化木(茎葉散布・土壌灌注)に対する登録は既にあるが、果樹としての登録拡大のための基礎資料を揃えるとともに、開花末期の茎葉散布が果実の形質に及ぽす影響を明らかにする。                   

[成果の内容・特徴]
  1. 成熟に及ぼす影響 : 開花末期(4月30日)の樹上散布によって着色が促進され、出荷開始期(6月24日)の完熟果率が、高濃度(300ppm)散布で顕著に向上する(表1)。
  2. 摘果効果に及ぽす影響 : 高濃度散布区ほど、着果数の減少・1果当たり葉重の増加がみられ、1果重も増加する(表1表2)。
  3. 果汁品質に及ぼす影響 : 完熟果の糖度・クエン酸には、一定の傾向がみられない(表2)。
  4. 新梢伸長に及ぼす影響 : 散布当年の新梢伸長は、高浪度散布によりやや抑制され、散布翌年の夏技の節間も短い傾向となる(表2)。
  5. 農薬残留に及ぽす影響 : 平成6年度実施(500倍液:430ppm)の残留分析(徳島農試環境科担当)の結果、基準をクリアーしていた(データ略)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 無開花末期ごろの茎葉散布とし、浪度は300ppm濃度が適当である。緑化木で登録のある500倍での摘果効果、連年散布の問題点等については更に検討を要する。

 [その他]
 
研究課題名:ヤマモモの高品質安定生産試験(矮化剤の利用に関する試験)
予算区分  :県単
研究期間  :平成5~7年
研究担当者:行成正昭・東出圓朗・秋成昇 ・和田英雄 (小松島農改)
発表論文等:なし
 
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