ハウスミカンの収穫前の地中冷却による着色促進と樹勢の維持

[要約]
ハウスミカンにおいて、収穫前に1か月程度地温を10~11℃にすることによって、着色がやや促進され、細根の活性が高まる。
香川県農業試験場府中分場 栽培担当
[連絡先]0877-48-0731
[部会名]果樹
[専門]栽培
[対象]果樹類
[分類]研究

[背景・ねらい]

現在、ハウスミカンでは収量の低下、樹勢の低下等が大きな問題点となっている。それらの原因として、高糖果生産のための幼果期から成熟期にかけての土壌乾燥による果実肥大の抑制、細根の枯死等が考えられている。そこで、ハウスミカンにおいて収穫前に土壌乾燥処理を行う代わりに地中冷却処理を行い、それらが樹体、果実果実に及ぼす影響を検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 場内のハウス栽培11年生興津早生について平成6年5月16日より地中冷却処理を開始し、6月15日の収穫日まで継続した。すなわち、地下20cmに直径30mmの塩ビパイプを30cm間隔に埋設し、設定温度10℃として、冷却機で3~5℃に冷却した水を循環させた。
    冷却期間中は土壌表面をアルミ蒸着シートで被覆した。
  2. 着色は、地中冷却区で5日程度早く進む(図1)。
  3. 果実の肥大は、無処理区でやや良好であったが、大きな差では無い(図2)。
  4. 果実品質は地中冷却区で果皮の紅がやや濃くなる。クエン酸濃度がやや高くなる。果実比重、糖度計示度については差は見られない(表1)。
  5. 根量は、大きな差は見られなかったが、地中冷却区で白く、太い細根が多い。細根活性は地中冷却区で高い(表2)。
    以上のことから、収穫前に地中冷却を行うことによって着色がやや促進され、根が比較的健全に保たれることから、樹勢を良好な状態に維持できるのではないかと思われる。
[成果の活用面・留意点]
  1. 全ハウスミカン園が対象となるが、特に梅雨明け後が収穫期となるハウス。
    既存ハウスではパイプの設置が困難となるため新植園が対象となる。
    経営費の検討が必要である。

 [その他]
 
研究課題名:施設カンキツ高度生産システム開発事業
予算区分  :県単
研究期間  :平成6年度(平成4~9年)
研究担当者:大谷衛、豊嶋貴司、森末文徳
発表論文等:なし
 
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