産業用無人ヘリコプター利用によるかんきつ害虫の薬剤防除
[要約]
かんきつ園における害虫防除を目的とした
無人ヘリコプター
による薬剤散布量は5リットル/10aが適当である。
高濃度少量散布
により、かんきつの
主要害虫
のミカンハダニ、訪花害虫、ヤノネカイガラムシに対して、高い防除効果が期待でき、
省力防除手段
として有力である。
愛媛県立果樹試験場 生産環境室 虫害班 [連絡先]089-977-2100 [部会名]果樹・生産環境 [専門]作物虫害 [対象]果樹類 [分類]研究
[背景・ねらい]
近年、かんきつ栽培においては高品質果実生産とともに省力化、低コスト化の生産技術開発の確立が強く求められている。そこで、とくに機械化の困難な急傾斜地かんきつ園での産業用無人ヘリコプター(搭載能力20kg)利用による主要害虫に対する薬剤防除方法について、検討する。
[成果の内容・特徴]
無人ヘリコプターの散布飛行は、樹冠頭部よりの高度2~3m、速度8km/h、飛行間隔2~3mの重ね散布で行う。
ミカンハダニ : ピリダベン水和剤、同顆粒水和剤5リットル/10a散布で、薬液は樹容積が大きい樹(約22m
3
)においても樹冠内部まで比較的よく付着し(
表1
、
図1
)、安定的かつ実用的な防除効果が得られる。
訪花害虫 : 開花程度が4~5分の時期にアセフェート・NAC水和剤あるいはMEP乳剤を用いると、両剤とも、ケシキスイ及びハナアザミウマ類に対して5リットル/10a散布で、速効 性は若干劣るが同剤の手散布とほぼ同等の高い防除効果が期待できる(
表2
)。
ヤノネカイガラムシ : DMTP乳剤を5リットル/10a用いると手散布に比べてほぼ同等の高い防除効果が期待できる。また、葉の表裏間での効果の差も少ない(
表3
)。
[成果の活用面・留意点]
無人ヘリコプター利用による防除を実用化するには、農薬登録が必要である。
[その他]
研究課題名:かんきつ害虫の省力防除技術確立に関する研究
予昇区分 :県単
研究期間 :平成6年度(平成4年~)
研究担当者:荻原洋晶、窪田聖一、池内温
研究協力機関:愛媛青果連
発表論文等:産業用無人ヘリコプター(RCヘリコプター)による果樹病害虫防除、今月の農業、39巻1号、1995
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