清見の樹冠被覆による樹上越冬栽培
- [要約]
- PVA製フィルムを利用した樹冠被覆栽培は、被覆に要する時間・収穫後の調整作業が短縮でき、貯蔵中のコハン症、腐敗果の発生も少なく、果実品質、着色ともに良好で、高品質果実生産が図れる。
愛媛県立果樹試験場南予分場
[連絡先]0895-52-1004
[部会名]果樹
[専門]栽培
[対象]果樹類
[分類]普及
- [背景・ねらい]
清見は本来の味と香りを出すため、3月まで樹上で越冬栽培されているが、寒害と鳥害防止を兼ねて一般には袋掛けが行われている。しかし、袋掛けに掛かる労力が問題となっていることから、PVA(ポリビニールアルコール)製フィルムを利用した樹冠被覆(12~3月の期間、樹1本ごとに被覆)を行い、越冬中・採収貯蔵後の果実品質、果皮障害の発生に及ぽす影響について検討する。
- [成果の内容・特徴]
- 被覆に要する時間は、樹冠被覆は1樹当り(150果/1人)で3~4分、対照の袋掛けは10~13分かかる。
- コハン症の発生は収穫時はわずかに見られる程度であるが、貯蔵中に著しく発生する。
試験区では樹冠被覆で、また結果位置では内下部で発生が少ない傾向である。
- 収穫時の果実品質を見ると、糖度・酸ともに、袋掛けと同程度か、やや高い傾向である。
- 貯蔵中の状態は、腐敗は樹冠被覆で少なく、果実品質は収穫時と同様で、対照と比べてやや高糖・高酸傾向である。
- 低温貯蔵庫から出庫時の果皮障害の発生は、樹冠被覆でやや多いが、腐敗果は袋掛けで多い傾向である。
- 樹冠被覆による遮光(10%)が発芽や着花に及ぼす影響ははとんどない。
(表1) 収穫時の落下率、果皮色、果実品質 (表2) 常温貯蔵後の減量歩合、腐敗、果実品質
(表3) 低温貯蔵庫から出荷後の果皮障害の発生の推移
(図1) 収穫時と貯蔵庫のコハン症の発生
- [成果の活用面・留意点]
- 樹冠被覆栽培のフィルムと接する果実は、スレ果となるため、サンテ(化繊袋)等であらかじめ被袋をすると良い。
[その他]
研究課題名:清見の高品質果安定生産技術確立に関する研究
予算区分 :県単
研究期間 :平成5年度(平成元~5年度)
研究担当者:菊池泰志、藤井栄一、赤松 聰発表論文等:なし
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