瀬戸内におけるポンカンの摘果と大玉果生産

[要約]
摘果の程度は、葉果比を120とし、時期は7月の下旬からの早期摘果を実施すると、大玉高品質果生産が図れる。
愛媛県立果樹試験場 岩城分場
[連絡先]0897-75-2014
[部会名]果樹
[専門]栽培
[対象]果樹類
[分類]普及

[背景・ねらい]

ポンカンは、高温多雨な気候を好み年平均気温20℃前後のところが適地とされているが、瀬戸内地域は年平均気温が2~3℃低く、果実が小玉傾向にある。このため、瀬戸内の気候に適した条件でポンカンの大玉果生産が望まれており、品質、肥大の影響が大きい摘果の程度と最適時期を解明することで大玉高品質果の生産を図る。

[成果の内容・特徴]
  1. 大玉果生産には、摘果調節が効果的であるが、瀬戸内地域の摘果基準はこれまで西南暖地の80から100としており、小玉果率が高い傾向にある。(表1)は葉果比と階級比率を示しており、葉果比60では、販売不可能な2S果の割合が28.9%を占める。
    葉果比90においてもS級以下が54%であり、葉果比120にすると、2S以下が5.5%と少なく、L級以上の大玉果の割合は30.7%と高くなる。収量は、葉果比90の区がやや多いものの有意差は認められず、2S以下を除いた収量でみると、葉果比90と120には差は認められない。葉果比と果実品質の関係は、どの処理区も糖度、クエン酸ともに明らかな差は認められず、着色が 葉果比120でやや遅れる(表2)。
  2. ポンカンは生育初期の肥大が悪く、また生理落果も7月中下旬頃まで続くことから、摘果の時期が遅い傾向にある。葉果比120に揃え、7月29日、8月22日、9月21日の1ヵ月間隔で処理したところ、7月摘果は処理を行なうことで生理落果が完了し、肥大も優れた。果実階級比率で見ると、L級以上の果実が7月摘果は89.5%、8月摘果が81.9%、9月摘果は43.0%となり、時期が早いはど大玉果生産が可能となる (表3)。
    果実品質は、糖、クエン酸ともに摘果が遅いと高い傾向にあり、着色も早くなる(表4)。
[成果の活用面・留意点]
  1. ポンカンは幼果期の発育が遅く、早期摘果は小果でやや困難であるが、大果生産を行なうには、7月下旬から8月にかけてなるべく早く摘果を行ない、果実肥大を促す。摘果の程度は葉果比を120とする。

 [その他]
 
研究課題名:瀬戸内かんきつの品質向上に関する研究
予算区分  :県単
研究期間  :平成6年度(平成3~7年)
研究担当者:向井義徳、松尾勇作、脇 義富
発表論文等:なし
 
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