暖地におけるオウトウの結実安定と品質向上対策

[要約]
人工受粉を開花盛期に行うことで結実率が向上し、満開後60日頃の新梢の摘芯根域制限等により、翌年の花芽数の増加、若木の早期着花、樹勢の安定を図ることができる。また、着色期に反射マルチを処理することで、着色の向上・均質化や糖度の上昇など高品質果を生産できる。
愛媛県立果樹試験場 栽培育種室 落葉果樹班
[連絡先]0899-77-2100
[部会名]果樹
[専門]栽培
[対象]果樹類
[分類]指導

[背景・ねらい]
暖地におけるオウトウの栽培上の問題点は、樹勢が旺盛になりすぎるための着花不足、受精不良による結実不足及び着色期の降雨による裂果の多発である。樹勢をコントロールするための整枝法、適正台木の探索及び根域制限の効果などについて検討し、雨よけ施設下での結実安定と着色良好な大玉生産や裂果防止技術を確立することにより、暖地における定着化を図る。
[成果の内容・特徴]
  1. 人工受粉による結実率は、開花盛日の前後で高く、開花始・開花終では低くなる(表1)。                                                          また、開花期の最高気温は25℃よりも20℃の方が結実率が向上する(表2)。
  2. 満開後60日頃に新梢の摘芯を行うと花芽数の増加が認められ、樹勢の強い若木などの早期着花と樹勢の抑制に有効であると考えられる。また、ポット植えなどによる根域制限により、早期結実を図ることができる(表3)。
  3. 反射マルチ処理によって、特に樹冠下部の果皮のアントシアニン含量が著しく増加し、着色促進効果が認められ、果実の糖度、果実重も増加する(表4)。
  4. 植物調節剤バウンティフロアブル2,000倍の散布(5月)により翌年以降の生育を抑制し、花芽数が増加する(表5)。
[成果の活用面・留意点]
  1. オウトウの栽培には、着色期の降雨よる裂果を防ぐため雨よけ施設が必要であり、地下部からの雨水の進入を防ぐため、側溝等の措置を講じる。また、施設内の上部の温度はかなり高くなるので効率的な 換気を行う必要がある。

 [その他]
 
研究課題名:サクランボの生産安定技術確立試験
予算区分  :県単
研究期間  :平成6年度(平成2~6年)
研究担当者:森口一志、井上久雄、佐川正典、越智政勝
発表論文等:なし
 
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