カラタチ台を活用した水晶文旦の早期加温型施設栽培技術

[要約]
カラタチ台水晶文旦(タタリーフウイルス無毒)の早期加温型施設栽培(9月中・下旬収穫)における温度、水および栽培管理について検討し、その栽培技術を体系化した。
高知県農業技術センター果樹試験場・常緑果樹科
[連絡先]0888-44-1120
[部会名]果樹
[専門]栽培
[対象]果樹類
[分類]普及

[背景・ねらい]

水晶文旦の施設栽培は、当初はカンキツタタリーフウイルスのため、カラタチ台木での栽培が出来ず、文旦台木を用いていた。そのため、樹勢が強く、着花(果)が不安定であった。 しかし、ウイルスを無毒化することによりカラタチ台木での栽培が可能となった。
わい性台木のカラタチを使用することにより、着花(果)の安定は図られると考えられたが、カラタチ台木の栽培事例は全くなかったため、カラタチ台木を活用した水晶文旦の施設栽培技術の体系化に取り組んだ。

[成果の内容・特徴]
  1. 被覆期間・加温時期
     12月中旬に被覆し、12月20日前後から加温を行う。収穫が終われば、直ちに屋根ビニールを除去する。
  2. 温度管理
     加温開始から開花終了時までの夜温は17℃を維持し、以降は14℃とする。外気温の最低が14℃以下になることがなくなれば加温をやめ、内張り、サイドビニールを開放する。
     生理落果終了までは昼温の最高は28℃とする。
  3. 灌水
     開花までは、1週間に1回程度の灌水を行う。開花中は過湿をさけ、灌水は控え目にする。(灰色かび病の予防)。満開後、110~140日(果実の横径で9cm前後)から節水管理を行い、糖度上昇を図る。
  4. 人工授粉
     単為結実率は低いので、授粉を行う。授粉は2~3分咲きから始め、6分咲き頃までに終える。
  5. 摘果
     摘果は生理落果終了後から開始し、葉果比で60を目安とする。
  6. 収穫
     施設栽培では果肉が先熟するため、2~3分着色になれば食味を確かめたうえで順次、収穫を行う。
  7. 経営収支
     20aの水晶文旦を施設栽培した場合、粗収入は約770万円で、その所得率は50%程度と試算できる。

    (表1) 夜温の違いと開花期、収穫期、及び果実の品質   (表2) 土壌の乾燥処理時期と果実の品質   (表3)開花時期と着果率、収穫果実の大きさ及び外観

[成果の活用面・留意点]
  1. 剪定は弱剪定とし、早めに間伐を行い、樹勢を落ちつかせる。
  2. 潅水量及び節水管理は圃場条件によって大きく異なるため、圃場条件に応じて、その程度を調節する。
  3. 台風等の影響で収穫前に圃場に降雨が入ると糖度が低下するため、台風対策を立てておく。

 [その他]
 
研究課題名:プンタン類の施設栽培に関する研究
予算区分  :県単
研究期間  :昭和59年~平成5年
研究担当者:田中満稔、山崎信雄、青木俊和、谷岡英明、真鍋糺
発表論文等:なし
 
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