ヤマモモの授粉におけるシロコヤマモモ花粉の利用

[要約]
ヤマモモの施設栽培、園地裁培において、人工受粉は着果を安定させるのに有効である。花粉の採集法としては、切り枝の水挿しが良く、またシロコヤマモモの花粉が採集量が多く、ヤマモモとの交配親和性があり低温貯蔵した花粉も利用できる。
高知県農業技術センター果樹試験場・常緑果樹科
[連絡先]0888-44-1120
[部会名]果樹
[専門]栽培
[対象]果樹類
[分類]指導

[背景・ねらい]

ヤマモモは雌雄異株であるため授粉には雄木が必要であり、施設栽培や園地化した場合には着果が不安定になることが問題となる。そこで人工授粉を行うことを前提とし、ヤマモモとは開花時期が異なるものの花粉量が多く、採集も容易なシロコヤマモモを利用しその花粉の貯蔵と貯蔵花粉による授粉を検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 花粉の採集法として、立木での採集、乾燥器で開やくさせて採集する方法などを検討したが、切り枝を水挿しで開やくさせ落下した花粉を採集する方法がもっとも効率的である。
    シロコヤマモモは、ヤマモモ花粉の約3.5倍量の採集が可能である(表1)。
  2. シロコヤマモモの開花時期は、ヤマモモより約1ヵ月遅いため、当年に採集した花粉は利用はできない。このため、花粉の貯蔵方法を検討した。室温、冷蔵(8℃)、冷凍(-18℃)の温度条件のもと硫酸紙に包みガラスビンに入れ、乾燥剤(シリカゲル)を入れるものと入れないものをつくり、次年度‘亀蔵’への授粉に用いた。発芽試験(ショ糖20%、寒天1%)では、冷凍条件で乾燥剤を入れないものが、発芽率約20%であり、授粉によりどの区も放任区よりは着果が少なくなったが、すべての区で着果しており、実用性を認めた。なお、着果状態からみると保存条件は室温よりも冷蔵、冷凍がよく、また乾燥剤を入れないほうがよい(表2)。
  3. 当年花粉(普通ヤマモモ)とシロコヤマモモの貯蔵花粉(冷凍貯蔵)とを投粉して比較した。放任区と当年花粉区と同様に着果し、十分利用できることがわかった(表3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 枝の採取時期としては木の一部が開花し始めたころで、開花してない枝を採取する。

 [その他]
 
研究課題名:ヤマモモの着果安定技術の確立
予算区分  :国補(地域重要)
研究期間  :平成2年~6年
研究担当者:谷岡英明 由中満稔 青木俊和 真鍋糺
発表論文等:なし
 
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