ヤマモモの無加温被覆及び屋根掛け栽培

[要約]
ヤマモモに開花前から収穫まで無加温被覆栽培を行うと、2週間程度の熟期促進効果がみられる。品質面では酸が高い傾向であるが、雨の多い年でも品質の安定した果実がとれる。また、収穫期間中の屋根掛け栽培は、雨の多い年にも品質的に安定した果実が取れ、手採取果率が上がる。
高知県農業技術センター果樹試験場・常緑果樹科
[連絡先]0888-44-1120
[部会名]果樹
[専門]栽培
[対象]果樹類
[分類]指導

[背景・ねらい]

特産果樹であるヤマモモは、収穫時期が梅雨にあたり雨による収穫作業及び品質に与える影響が大きい。このため、雨の影響を排除する無加温被覆やさらに簡便な屋根掛け栽培の果実品質、手採取果率の向上及び熟期の促進効果を検討する。

[成果の内容・特徴]

 無加温栽培
  1. ‘瑞光’13年生を供試し、開花前からの無加温被覆栽培と露地との比較を92、93年の2ヵ年行った。92年は 3月6日から、93年は1月21日からビニ-ル被覆を行い、4月上旬まで朝夕サイドを開閉し、以後サイドは開放した。また潅水は週1回程度行った。被覆期間中の気温は、屋外より最高気温で0~5℃高く、最低気温ははぼ同様に推移した。
  2. 開花盛期は、無加温ハウス区で92年が4月5日、93年が4月3日と露地に比較して、それぞれ0.5日早くなった。(表1
  3. 収穫始めは、無加温ハウス区で92年が6月8日、93年が6月7日と露地に比較して、それぞれ12日、16目早くなったが、3月上旬被覆、1月上旬被覆との差は小さい。(表1
  4. 手採取果率は、無加温ハウス区で高かった。(表3
  5. 果実品質も被覆栽培によりクエン酸がやや高いものの、糖度も高く品質的に安定したものがとれた。(表2
 屋根掛け栽培
  1. ‘瑞光’11年生を供試し、収穫前からの屋根掛け処理と露地との比較を、90、91年の2ヵ年行った。90年は6月2日から、91年は5月22日から処理した。
  2. 収穫期間中の降雨日が90年は5日と少なく、収穫作業に影響はみられなかったが、91年は12日と多かったため、収穫後期になり降雨の影響と思われる落果果実が多くなり、最終的な手採取果の割合は、屋根掛け区が41.7%と、露地の32.3%に比べ高くなった。 (表3
  3. 商品価値のある赤黒の果実割合は、90年では露地が高く、91年ではほとんど変わらなかったが、平均一果重では両年とも屋根掛け区が大きかった。
  4. 糖度は天候の良かった90年は露地の方がやや高く、南の多かった91年では明らかに屋根掛けにより高くなった。(表4
[成果の活用面・留意点]
  1. 無加温被覆の時期としては、害虫の発生を考えると、開花1ヵ月前の3月上旬頃が適当である。 
  2. この試験は、晩生である‘瑞光’を用いており、‘瑞光’の早期出荷は有利販売につながらない。
  3. 被覆初期、灌水が十分でないと落葉がある。

 [その他]
 
研究課題名:ヤマモモの着果安定技術の確立
予算区分  :国補(地域重要) 
研究期間  :平成2年~6年
研究担当者:谷岡英明 由中満稔 青木俊和 五百蔵茂 川北恭吾 真鍋
発表論文等:なし
 
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